FXのスワップポイントとは?金利差で得られる利益の仕組みを解説

FXの始め方

FXを始めると、必ず耳にするのが「スワップポイント」という言葉です。為替差益だけでなく、ポジションを持っているだけで毎日利益が積み重なる可能性があるという仕組みなので、初心者でも興味を持ちやすいのではないでしょうか。

スワップポイントは、二つの通貨の金利差を利用した収益のことで、長期保有を前提にコツコツと利益を狙う投資スタイルに向いています。ただし、マイナスになって支払いが発生するケースもあるため、仕組みをしっかり理解しておくことが大切です。今回は、FXのスワップポイントという仕組みについて、金利差で得られる利益の流れを初心者向けにやさしく解説していきます。

スワップポイントという言葉の意味

1. 二つの通貨の金利差のことをスワップポイントという

FXでは、二つの国の通貨を交換して取引を行います。それぞれの国には政策金利という金利が設定されていて、この金利差によって生まれる利益がスワップポイントと呼ばれるものです。

例えば、日本円の金利が低くて、米ドルの金利が高い場合を考えてみましょう。米ドルを買って日本円を売るポジションを持つと、金利の高い通貨を保有していることになるため、その差額分の利益を毎日受け取ることができるという仕組みです。逆に、金利の低い通貨を買って高い通貨を売ると、マイナスのスワップポイントとして支払いが発生してしまいます。

この金利差という考え方が、スワップポイントを理解する上での基本になります。通貨ペアによって金利差は大きく異なるため、どの組み合わせを選ぶかでスワップポイントの金額も変わってくるのです。

2. 毎日もらえる利益として注目されている理由

スワップポイントが人気の理由は、ポジションを保有しているだけで毎日自動的に利益が積み上がっていく点にあります。為替レートの変動を気にせず、長期的にコツコツと資産を増やせる可能性があるため、忙しい人にも向いている投資スタイルといえるでしょう。

FX会社によってスワップポイントの金額は異なりますが、基本的には毎日一定の時間にポジションを持ち越すことで付与される仕組みです。つまり、取引のタイミングをあまり気にせず、じっくりと保有し続けることで利益を狙えるという特徴があります。

ただし、スワップポイントだけに注目して為替レートの変動を無視してしまうと、大きな損失につながる可能性もあるため注意が必要です。あくまで長期保有を前提にした戦略として捉えるのが賢明ではないでしょうか。

スワップポイントが発生する仕組み

1. 高金利の通貨を買って低金利の通貨を売るとどうなる?

高金利の通貨を買って低金利の通貨を売ると、プラスのスワップポイントが発生します。これは、金利の高い通貨を保有することで、その金利差分の利益を受け取れるという考え方です。

具体的には、メキシコペソのような高金利通貨を買って日本円を売るポジションを持つと、毎日スワップポイントが付与されます。逆のパターンで、日本円を買ってメキシコペソを売ると、今度はマイナスのスワップポイントとして支払いが発生してしまうのです。

この仕組みを理解しておくと、どの通貨ペアをどの方向で取引すればスワップポイントを受け取れるのかが明確になります。初心者のうちは、プラスのスワップポイントが発生する方向でポジションを持つように意識するのがおすすめです。

2. 銀行で例えると理解しやすい金利差の考え方

スワップポイントを銀行預金に例えると、イメージしやすくなります。日本の銀行に預けても金利がほとんどつかないのに対して、海外の高金利な銀行に預ければ利息が多くもらえるという感覚です。

FXでは、この預金と借入を同時に行っているような状態になります。高金利通貨を買うということは、その国の金利でお金を預けているのと似た効果があり、低金利通貨を売るということは、その国の金利でお金を借りているような状態です。この二つの金利差が、スワップポイントとして毎日反映される仕組みといえるでしょう。

身近な例に置き換えて考えると、金利差で利益を得るという概念が理解しやすくなるはずです。

3. ポジションを翌日に持ち越すことで付与されるタイミング

スワップポイントは、ポジションを翌日に持ち越したタイミングで付与されます。FX取引には「ロールオーバー」という概念があり、通常は日本時間の早朝にポジションが自動的に繰り越される仕組みです。

具体的には、ニューヨーク市場が閉まる時間帯(日本時間の午前6時や7時ごろ)にポジションを保有していれば、スワップポイントが付与されるというルールになっています。つまり、日中に取引をして決済してしまうと、スワップポイントは発生しないということです。

このタイミングを意識しておくと、スワップポイント狙いの取引がよりスムーズになります。長期保有を前提にする場合は、基本的にポジションを持ち続けることでスワップポイントが毎日積み重なっていくと考えておけば大丈夫です。

スワップポイントはマイナスになることもある?

1. 低金利通貨を買うと支払いが発生してしまう

スワップポイントは、必ずしもプラスになるわけではありません。低金利の通貨を買って高金利の通貨を売ると、マイナスのスワップポイントが発生して、逆に支払いが必要になってしまいます。

例えば、日本円を買って米ドルを売るポジションを持つと、金利の低い通貨を保有することになるため、その差額分を毎日支払わなければならないのです。短期トレードならあまり気にならない金額かもしれませんが、長期保有する場合は無視できないコストになります。

取引を始める前に、自分が持とうとしているポジションがプラスのスワップなのかマイナスのスワップなのかを確認する習慣をつけておくと安心です。FX会社の取引画面には、通貨ペアごとのスワップポイントが表示されているので、必ずチェックしておきましょう。

2. 金利の変動でプラスがマイナスに転じる可能性

各国の政策金利は、経済状況に応じて変動します。そのため、今までプラスだったスワップポイントが、金利の変化によってマイナスに転じることもあり得るのです。

特に、政策金利の引き下げや引き上げが発表されると、スワップポイントの金額が大きく変わることがあります。高金利通貨として人気だった通貨ペアでも、金利が急激に下がればスワップポイントの魅力が薄れてしまうかもしれません。

長期保有を前提にスワップポイント狙いの取引をする場合は、定期的に各国の金利動向をチェックしておくことが大切です。ニュースや経済指標の発表を確認する習慣をつけておくと、リスク管理がしやすくなるでしょう。

3. 各国の政策金利に注目する必要がある理由

スワップポイントは、各国の中央銀行が決定する政策金利に直結しています。政策金利が高い国の通貨を買えばスワップポイントが得られやすく、逆に低い国の通貨を買うと支払いが発生しやすくなるという関係です。

例えば、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が金利を引き上げれば、米ドルを買うポジションでのスワップポイントが増える可能性があります。逆に、金利を引き下げればスワップポイントが減少するという流れです。

政策金利の動きを追うことで、スワップポイント狙いの戦略をより効果的に立てられるようになります。経済ニュースをチェックする習慣をつけておくと、投資判断の精度が上がるはずです。

スワップポイントで稼ぎやすい通貨ペアはどれ?

1. メキシコペソ円は初心者でもチャレンジしやすい

メキシコペソ円は、高金利通貨として人気のある通貨ペアです。メキシコの政策金利が比較的高いため、日本円と組み合わせることでスワップポイントが得られやすいという特徴があります。

また、1通貨あたりの価格が低いため、少額から取引を始めやすいというメリットもあります。初心者がスワップポイント狙いの取引を試してみたい場合、メキシコペソ円は手頃な選択肢といえるでしょう。

ただし、新興国通貨は値動きが激しくなる場合もあるため、為替レートの変動リスクには注意が必要です。長期的な視点で保有する前提で、余裕資金で取引するのがおすすめです。

2. トルコリラ円は高金利だが値動きに注意

トルコリラ円も、高金利通貨として知られています。トルコの政策金利が高水準で推移している時期は、スワップポイントが非常に魅力的に見えるかもしれません。

しかし、トルコリラは政治・経済の不安定さから、為替レートが急激に変動するリスクが高い通貨でもあります。スワップポイントで得られる利益よりも、為替差損の方が大きくなってしまう可能性もあるため、慎重な判断が求められます。

高金利だからといって安易に飛びつくのではなく、リスクとリターンのバランスを冷静に見極めることが大切です。初心者のうちは、より安定した通貨ペアから始めた方が無難かもしれません。

3. 米ドル円やユーロ円も安定感があっておすすめ

米ドル円やユーロ円は、メジャー通貨ペアとして取引量が多く、比較的安定した値動きをする傾向があります。スワップポイントの金額は新興国通貨ほど高くありませんが、為替リスクが低いため長期保有に向いているといえるでしょう。

特に米ドル円は、日本人トレーダーにとって馴染みやすい通貨ペアであり、情報も豊富に入手できます。金利差がある程度確保できる時期であれば、スワップポイントを狙いながら為替差益も期待できるかもしれません。

安定感を重視するなら、こうしたメジャー通貨ペアから始めて、少しずつ高金利通貨にも挑戦していくという流れがおすすめです。

スワップポイントを狙う際の注意点

1. 為替レートの変動で損失が出る可能性がある

スワップポイントを狙う際に最も注意すべきなのが、為替レートの変動リスクです。毎日スワップポイントを受け取っていても、為替レートが大きく不利な方向に動いてしまうと、トータルで損失が出てしまう可能性があります。

例えば、高金利通貨を買ってスワップポイントを得ていたとしても、その通貨の価値が下がってしまえば、含み損が膨らんでしまいます。スワップポイントで得られる利益よりも、為替差損の方が大きくなるケースも珍しくありません。

長期保有を前提にする場合でも、定期的にポジションの状況を確認して、リスク管理を怠らないことが重要です。

2. レバレッジをかけすぎると強制ロスカットのリスク

FXではレバレッジをかけることで、少ない資金でも大きなポジションを持つことができます。しかし、レバレッジをかけすぎると、為替レートが不利な方向に動いた際に強制ロスカットされてしまうリスクが高まります。

スワップポイント狙いの長期保有では、為替変動に耐えられるだけの余裕資金を確保しておくことが大切です。レバレッジは低めに抑えて、急激な相場変動があっても慌てずに対応できる状態を保つのが理想的といえるでしょう。

高金利通貨ほど値動きが激しい傾向があるため、特に注意が必要です。

3. 長期保有を前提にコツコツ積み立てる姿勢が大切

スワップポイントは、短期間で大きな利益を狙うものではなく、長期的にコツコツと積み上げていく投資スタイルに向いています。焦らず、じっくりと保有し続ける姿勢が求められるでしょう。

また、一度に大きなポジションを持つのではなく、少しずつ分散して積み立てていく方法も有効です。為替レートの変動リスクを分散させながら、スワップポイントを受け取り続けることができます。

長期的な視点で資産を増やしていくという考え方が、スワップポイント狙いの取引では重要になってくるはずです。

スワップポイントの計算方法を知っておこう

1. FX会社ごとに金額が異なるという事実

スワップポイントの金額は、FX会社によって異なります。同じ通貨ペアでも、各社で提示されるスワップポイントには差があるため、より有利な条件の会社を選ぶことが大切です。

FX会社の公式サイトには、通貨ペアごとのスワップポイントが一覧表示されていることが多いので、取引を始める前に比較してみるとよいでしょう。スワップポイントが高い会社を選ぶことで、長期的に得られる利益が大きくなる可能性があります。

また、スワップポイントは日々変動するため、定期的にチェックする習慣をつけておくと安心です。

2. 1日あたりのスワップポイントを確認する方法

各FX会社の取引画面では、通貨ペアごとに1日あたりのスワップポイントが表示されています。この金額を確認することで、保有しているポジションでどのくらいのスワップポイントが得られるのか把握できます。

例えば、米ドル円で1万通貨のポジションを持っている場合、1日あたりのスワップポイントが表示されるので、それを基に計算することができます。プラスのスワップポイントであれば利益として受け取れ、マイナスであれば支払いが発生するという仕組みです。

自分のポジションでどのくらいのスワップポイントが発生するのかを把握しておくと、投資計画が立てやすくなります。

3. 年間でどのくらいの利益になるのか試算してみる

1日あたりのスワップポイントがわかれば、年間でどのくらいの利益が期待できるのか試算することができます。例えば、1日あたり100円のスワップポイントがもらえる場合、1年間で約36,500円の利益になる計算です。

ただし、スワップポイントは日々変動するため、あくまで目安として考えておくべきでしょう。金利の変動や為替レートの動きによって、実際の利益は変わってくる可能性があります。

それでも、長期的にどのくらいの収益が見込めるのかをイメージしておくことは、投資戦略を立てる上で役立つはずです。

まとめ

今回は、FXのスワップポイントという仕組みについて、金利差で得られる利益の流れを初心者向けに解説してきました。

  • スワップポイントは二つの通貨の金利差によって発生する利益のこと
  • 高金利通貨を買って低金利通貨を売るとプラスのスワップポイントがもらえる
  • 逆のパターンではマイナスのスワップポイントとして支払いが発生する
  • メキシコペソ円やトルコリラ円は高金利だが値動きに注意が必要
  • 米ドル円やユーロ円は安定感があって初心者にもおすすめ
  • 為替レートの変動リスクを考慮してレバレッジは低めに抑える
  • FX会社ごとにスワップポイントの金額が異なるので比較が大切
  • 長期保有を前提にコツコツと積み立てていく姿勢が重要

スワップポイントは、為替差益とは別の収益源として魅力的な仕組みですが、為替レートの変動リスクを無視してはいけません。長期的な視点で資産を増やしていくという考え方を持ちながら、リスク管理を徹底して取り組んでいくことが成功への近道といえるでしょう。

クロイ

学生時代に統計を学んだ経験から、数字やデータをもとにした分析を得意としています。普段のトレードではテクニカル分析を中心に、シンプルで誰でも実践しやすい手法を大切にしています。

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