FXの成行注文と指値注文の違いとは?初心者でもわかる発注方法を解説

FXの始め方

FXを始めたばかりの方が最初にぶつかる壁の一つが、成行注文と指値注文の違いではないでしょうか。どちらも基本的な注文方法ですが、使い分けを知らないと思わぬ損失を招くこともあります。

この記事では、FXの成行注文と指値注文の違いを初心者にもわかりやすく解説していきます。それぞれの特徴やメリット・デメリット、使うべき場面まで丁寧に説明しますので、FX取引をこれから始める方も安心して読み進めてください。

FXの成行注文と指値注文の違いとは?

1. 成行注文の基本的な仕組みとは?

成行注文というのは、今表示されている価格で即座に売買する注文方法です。価格を指定せずに「今すぐ買いたい」「今すぐ売りたい」というときに使います。

例えば、ドル円が140.50円のときに成行注文で買いを入れると、その瞬間の最良価格で約定されるんですね。チャートを見ていて「このタイミングで入りたい!」と思ったら、価格を気にせずすぐに取引できるのが成行注文の特徴です。

ただし、相場が激しく動いているときは注文を出した瞬間と約定する瞬間で価格がずれることもあります。これをスリッページと呼びますが、初心者の方は最初驚くかもしれません。

2. 指値注文の基本的な仕組みとは?

指値注文は、あらかじめ価格を指定して注文を出す方法です。「ドル円が140円になったら買いたい」というように、希望する価格を設定しておけば、その価格に達したときに自動的に約定してくれます。

現在の価格よりも有利な条件で取引したいときに使うのが指値注文ですね。例えば、現在141円のドル円を「140円まで下がったら買いたい」と思ったら、140円で買い指値を入れておけばいいわけです。

ただし、指定した価格に到達しなければ取引は成立しません。これが成行注文との大きな違いで、確実性よりも価格の有利さを優先する注文方法だと言えます。

3. 成行注文と指値注文の決定的な違いは?

成行注文と指値注文の最も大きな違いは、「確実性」と「価格の有利さ」のどちらを重視するかという点です。

成行注文は価格を指定しない代わりに、ほぼ確実に約定します。一方、指値注文は希望価格で取引できる代わりに、その価格に到達しなければ約定しない可能性があるんですね。

もう一つの違いは、チャートを見ている必要があるかどうかです。成行注文はその場で判断して即座に発注しますが、指値注文は価格を設定して待つスタイルなので、チャートから離れていても取引できます。この違いを理解しておくと、自分の取引スタイルに合わせて使い分けられるようになります。

成行注文を使うべき場面とは?

1. 今すぐ取引したいときに成行注文が活躍する理由

成行注文が最も力を発揮するのは、今この瞬間に取引したいときです。チャートを見ていて「このタイミングを逃したくない!」と感じたら、迷わず成行注文を使うべきでしょう。

経済指標の発表直後など、相場が大きく動き始めたときは特に成行注文が有効ですね。指値注文では価格が一気に飛んでしまって約定しないこともありますが、成行注文なら確実にポジションを取れます。

ただし、こういう場面ではスリッページが発生しやすいので注意が必要です。それでも「このチャンスを逃すよりはマシ」と判断できるなら、成行注文を選ぶのが賢明だと思います。

2. 短期トレードで成行注文が重宝される理由

デイトレードやスキャルピングといった短期取引では、成行注文が主力になります。なぜなら、短期トレーダーにとっては「約定するかどうか」よりも「今すぐ取引できるか」の方が重要だからです。

数秒から数分で利益を狙うスキャルピングでは、指値注文を待っている余裕はありません。チャートパターンやテクニカル指標のサインを見て「今だ!」と思ったら、即座に成行注文でエントリーする必要があるんですね。

短期トレードをするなら成行注文の使い方をマスターすることが必須です。むしろ、短期トレーダーにとっては成行注文こそがメインの注文方法だと言えるでしょう。

3. 急な相場変動で損切りしたいときの成行注文

損切りをするときも成行注文が活躍します。予想に反して相場が動いて「これ以上の損失は避けたい」と思ったら、価格にこだわっている場合じゃありません。

指値注文や逆指値注文を入れていても、急激な相場変動では思った価格で約定しないこともあります。そんなときは成行注文で今すぐ決済してしまう方が被害を最小限に抑えられるんですね。

特に週末前や重要イベント前など、リスクを取りたくない場面では成行注文での損切りが有効です。「早く逃げたい」と思ったら、迷わず成行注文を使うべきでしょう。

指値注文を使うべき場面とは?

1. 有利な価格で取引したいときに指値注文が便利な理由

指値注文の最大の魅力は、自分が希望する価格で取引できることです。「現在のレートよりもう少し下がったところで買いたい」というときに、指値注文を入れておけば自動的に約定してくれます。

例えば、ドル円が141円のときに「140.50円まで下がったら買いたい」と思ったら、140.50円で買い指値を入れておけばいいわけですね。わざわざチャートを見続ける必要もなく、その価格に到達したら自動で取引成立です。

この「待ち伏せ戦略」は、焦らずじっくり取引したい方には最適な方法だと思います。有利な価格で確実にエントリーできるので、無駄なコストを払わずに済むのが大きなメリットです。

2. チャートを見ていられない時間帯に指値注文を活用する方法

日中仕事をしている方や、夜間にチャートを見られない方にとって、指値注文は強い味方になります。価格を設定しておけば、その価格に到達したときに自動で取引してくれるからです。

例えば、夜寝ている間に重要な経済指標の発表があるとします。その結果を予測して事前に指値注文を入れておけば、チャートを見ていなくても狙った価格で取引できるんですね。

これは忙しい社会人トレーダーにとって本当にありがたい機能だと思います。24時間動き続けるFX市場で、自分が見ていられない時間帯もチャンスを逃さずに済むわけですから。

3. 利益確定を自動化したいときの指値注文

ポジションを持っているときに、目標価格で自動的に利益確定したいなら指値注文が便利です。例えば、140円でドル円を買って141円で売りたいと思ったら、141円に売り指値を入れておけばいいんですね。

この方法なら、チャートに張り付いていなくても目標価格に到達したら自動で決済してくれます。感情に流されることなく、計画通りに利益を確定できるのが大きなメリットです。

特に値動きが激しい通貨ペアでは、一瞬で利益確定のチャンスが来ることもあります。指値注文を入れておけば、そのチャンスを確実に掴めるので安心ですね。

成行注文のメリットとデメリットとは?

1. 成行注文のメリット:確実に約定できる安心感

成行注文の最大のメリットは、ほぼ確実に約定することです。価格を指定しないので、市場に流動性がある限り取引が成立します。

「このタイミングで絶対にポジションを取りたい」というときに、約定しないリスクがほとんどないのは大きな安心材料ですね。特に短期トレードでは、エントリーのタイミングを逃すことが最大のリスクなので、この確実性は何よりも価値があります。

また、操作がシンプルで初心者にもわかりやすいのもメリットの一つです。「買い」か「売り」を選んで注文ボタンを押すだけなので、複雑な設定は必要ありません。

2. 成行注文のデメリット:スリッページに注意が必要な理由

成行注文の最大のデメリットは、スリッページが発生する可能性があることです。注文を出した瞬間と実際に約定する瞬間で価格が変わってしまうことがあるんですね。

特に相場が急変動しているときや、流動性が低い時間帯では、想定していた価格と大きく異なる価格で約定してしまうこともあります。数pipsのスリッページならまだしも、場合によっては数十pips滑ることもあるので注意が必要です。

経済指標の発表直後など、ボラティリティが高いときは特にスリッページが大きくなりやすいです。こういう場面では、スリッページ許容幅を設定できる機能を使うのが賢明だと思います。

3. 成行注文で失敗しないための注意点

成行注文を使うときは、相場の流動性を確認することが大切です。取引量が少ない時間帯や、マイナー通貨ペアではスリッページが大きくなりやすいので注意しましょう。

また、重要な経済指標の発表前後など、相場が荒れやすいタイミングでは慎重になる必要があります。確実に約定はしますが、思わぬ価格で約定してしまうリスクがあるからです。

できればスリッページ許容幅を設定して、想定外の価格では約定しないようにしておくのがおすすめですね。この設定をしておけば、大きなスリッページによる損失を防げます。

指値注文のメリットとデメリットとは?

1. 指値注文のメリット:希望価格で取引できる確実性

指値注文の最大のメリットは、自分が希望する価格で取引できることです。指定した価格、もしくはそれよりも有利な価格でしか約定しないので、予想外の損失を防げます。

例えば、140円で買い指値を入れた場合、140円以下でしか約定しません。もし139.80円まで下がってから反発したら、139.80円で約定するので予定よりも有利になるんですね。

この「指定価格以上に有利にはなっても不利にはならない」という特性が、指値注文の大きな安心材料だと思います。計画的なトレードをしたい方には最適な注文方法です。

2. 指値注文のデメリット:約定しない可能性がある理由

指値注文の最大のデメリットは、指定した価格に到達しなければ約定しないことです。せっかく狙った価格で注文を入れても、その価格に届かずに相場が反転してしまうこともあります。

例えば、140円で買い指値を入れていたのに、価格が140.10円までしか下がらずに上昇してしまったら、指値注文は約定しません。結果的にチャンスを逃してしまうことになるんですね。

特にトレンドが強いときは、指値注文を入れた価格まで戻ってこないことがよくあります。「もう少し待てば有利な価格で買えるはず」と欲張りすぎると、結局エントリーできずに終わってしまうこともあるので注意が必要です。

3. 指値注文で気をつけるべきポイント

指値注文を使うときは、価格設定が適切かどうかをよく考える必要があります。あまりにも現在価格から離れた価格を設定すると、いつまで経っても約定しません。

サポートラインやレジスタンスラインなど、テクニカル分析に基づいた価格設定をするのがおすすめです。根拠のある価格で指値を入れれば、約定する確率も高くなりますね。

また、指値注文を入れたら放置せず、定期的に相場を確認することも大切です。相場状況が変わったら、指値価格を修正したり、成行注文に切り替えたりする柔軟性も必要だと思います。

FX初心者はどちらの注文方法を選ぶべき?

1. 初心者にまず覚えてほしい成行注文の使い方

FXを始めたばかりの方は、まず成行注文から使い始めるのがおすすめです。シンプルで操作が簡単なので、取引の基本を理解するのに最適だからです。

最初のうちは「買い」と「売り」の違いや、ポジションを持つ感覚を掴むことが大切ですね。成行注文なら確実に約定するので、注文の仕組みを理解しやすいと思います。

デモトレードで成行注文を何度か試してみて、注文から約定までの流れを体で覚えましょう。慣れてきたら少額の実取引で練習するのが、上達への近道です。

2. 慣れてきたら活用したい指値注文のコツ

成行注文に慣れてきたら、次は指値注文を使ってみましょう。チャート分析をして「この価格まで下がったら買いたい」と思えるようになったら、指値注文を使う準備ができています。

最初は現在価格から近い位置に指値を入れて、約定する感覚を掴むのがいいですね。あまり欲張って遠い価格を設定すると、いつまで経っても約定しないので挫折してしまいます。

指値注文のコツは、サポートラインやフィボナッチなど、テクニカル分析の根拠がある価格に設定することです。根拠のある指値注文なら、約定率も高くなりますし、約定した後の値動きも予測しやすくなります。

3. 両方を組み合わせた賢い発注方法

上級者になると、成行注文と指値注文を場面によって使い分けます。トレンドが強くて今すぐエントリーしたいときは成行注文、レンジ相場で有利な価格を待ちたいときは指値注文という具合ですね。

さらに、IFD注文やOCO注文といった複合注文を使えば、エントリーと決済を同時に設定できます。例えば、指値でエントリーして、利益確定の指値と損切りの逆指値を同時に設定しておくといった使い方ができるんです。

こういった高度な注文方法も、結局は成行注文と指値注文の組み合わせです。基本をしっかり理解していれば、自然と応用的な使い方もできるようになると思います。

まとめ

FXの成行注文と指値注文について、基本的な仕組みから使い分けまで解説してきました。

  • 成行注文は今すぐ取引したいときに使う、確実に約定する注文方法です
  • 指値注文は希望価格で取引したいときに使う、価格を指定する注文方法です
  • 成行注文のメリットは確実性、デメリットはスリッページのリスクです
  • 指値注文のメリットは希望価格での取引、デメリットは約定しない可能性です
  • 短期トレードや急な損切りでは成行注文が有効です
  • 有利な価格を待ちたいときやチャートを見られないときは指値注文が便利です
  • 初心者はまず成行注文から始めて、慣れてきたら指値注文を使いましょう
  • 場面に応じて両方を使い分けることが、FXで利益を出すコツです

どちらの注文方法も一長一短ありますが、自分のトレードスタイルや相場状況に合わせて使い分けることが大切です。最初は戸惑うかもしれませんが、実際に取引を繰り返すうちに自然と使い分けられるようになるはずです。焦らず少しずつ練習していきましょう。

クロイ

学生時代に統計を学んだ経験から、数字やデータをもとにした分析を得意としています。普段のトレードではテクニカル分析を中心に、シンプルで誰でも実践しやすい手法を大切にしています。

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