つみたてNISAでは買えない?ETFとNISA・iDeCoの関係を整理

つみたてNISAでETFを買おうと思ったら、ほとんど選択肢がなくて驚いた経験はないでしょうか。実は、つみたて投資枠で買えるETFはたった8本しかありません。投資信託なら数百本も対象商品があるのに、なぜETFだけこんなに少ないのか、気になりますよね。さらに、iDeCoではそもそもETFが買えないという制約もあります。今回は、つみたてNISAでETFが買えない理由や、NISA・iDeCoとETFの関係について詳しく見ていきます。制度の違いを理解すれば、自分に合った投資方法が見えてくるはずです。

目次

つみたてNISAでETFが買えない理由とは?

つみたてNISAでETFを探してみると、選択肢の少なさに驚くかもしれません。投資信託は数百本もラインナップされているのに、ETFはわずか8本だけです。なぜこんなに差があるのでしょうか。金融庁の基準や証券会社の事情、そしてETFの商品特性が関係しています。

1. つみたて投資枠で買えるETFはたった8本だけ

つみたて投資枠の対象商品を見ると、投資信託が圧倒的多数を占めています。一方、ETFは国内株式型の7本と海外株式型の1本、合計8本しかありません。

これだけ少ないと、分散投資の選択肢も限られてしまいますよね。海外株式に投資したい人にとっては、たった1本しか選べないというのは物足りないはずです。つみたて投資枠は長期・積立・分散投資を応援する制度なのに、ETFに関しては選択肢がかなり制限されているのが現状です。

2. 金融庁の厳しい基準をクリアできないETFが多い

つみたて投資枠の対象商品になるには、金融庁が定めた厳しい基準をクリアしなければなりません。信託報酬が低いこと、分配金を頻繁に出さないこと、長期的な資産形成に適していることなどが求められます。

ETFの多くは、この基準を満たせていないのです。特に分配金の扱いが問題になっています。ETFは分配金を自動で再投資できないため、複利効果を得にくいという特徴があります。長期の資産形成を目指すつみたて投資枠の趣旨に合わないと判断されているのでしょう。

3. 販売する証券会社側にもメリットが少ない

実は、証券会社にとってもETFを積極的に扱うメリットが少ないという事情があります。投資信託なら販売手数料や信託報酬の一部が証券会社の収益になりますが、ETFは手数料が安い分、証券会社の利益も薄くなります。

さらに、つみたて投資枠では販売手数料をゼロにすることが条件になっています。これでは証券会社が積極的にETFを提案する理由がほとんどありません。結果として、つみたて投資枠でETFを買いたい人は、限られた選択肢の中から選ぶしかないのです。

ETFと投資信託はどう違うのか?

ETFと投資信託は、どちらも複数の株式や債券に分散投資できる商品です。しかし、実際に買おうとすると、仕組みや使い勝手にいくつか違いがあります。この違いを知っておくと、どちらを選ぶべきか判断しやすくなるはずです。

1. 上場しているか、していないかが最大の違い

ETFは「上場投資信託」という名前の通り、証券取引所に上場しています。株式と同じように、取引時間中であればリアルタイムで売買できるのが特徴です。

一方、投資信託は上場していません。1日1回決まる基準価額で取引されます。朝注文しても、実際の約定価格が分かるのは夕方以降です。株式のように値動きを見ながら売買したい人にはETFが向いていますが、長期でコツコツ積み立てるなら投資信託の方が手間がかかりません。

2. 購入価格の決まり方が異なる

ETFは市場で売買されるため、需要と供給によって価格が変動します。指値注文や成行注文も使えますし、板情報を見ながらタイミングを計ることもできます。

投資信託は基準価額で取引されるため、注文時点では正確な価格が分かりません。ただし、長期の積立投資では価格変動のタイミングを気にする必要がないので、この違いはあまり問題にならないでしょう。むしろ、余計な値動きを気にせず淡々と積み立てられるのは、投資信託のメリットかもしれません。

3. 分配金の扱い方にも違いがある

投資信託の多くは、分配金を自動で再投資してくれます。これによって複利効果が得られ、長期的な資産形成に有利です。

ETFの分配金は現金で受け取るのが基本です。自分で再投資することもできますが、手間がかかりますし、少額だと買い付けできないこともあります。長期で資産を増やしたいなら、この違いは意外と大きいはずです。つみたて投資枠でETFが敬遠されるのも、この複利効果の差が理由の一つになっています。

つみたて投資枠でETFを選ぶ必要はあるのか?

つみたて投資枠では8本のETFが対象になっていますが、わざわざETFを選ぶ必要があるのでしょうか。実は、多くの人にとって投資信託の方が使いやすいはずです。ETFならではのメリットよりも、デメリットの方が目立つ場面が多いからです。

1. 複利効果が得られにくいという弱点がある

長期の資産形成で最も重要なのは、複利効果です。分配金を再投資し続けることで、雪だるま式に資産が増えていきます。

ETFは分配金が現金で支払われるため、この複利効果を活かしにくいのです。もちろん、受け取った分配金を手動で再投資することもできます。しかし、毎回手続きをするのは面倒ですし、少額だと購入単位に満たないこともあります。投資信託なら自動で再投資されるので、手間もかからず効率的です。

2. 投資信託の方が商品の選択肢が圧倒的に多い

つみたて投資枠の対象商品を見ると、投資信託は数百本もあります。国内株式、先進国株式、新興国株式、バランス型など、さまざまな資産に分散投資できます。

ETFはたった8本しかありません。海外株式型に至っては1本だけです。これでは分散投資の自由度がかなり制限されてしまいますよね。自分の投資方針に合った商品を選びたいなら、投資信託の方が圧倒的に有利です。

3. 少額から始めやすいのは投資信託

投資信託は100円から購入できる証券会社も増えています。つみたてNISAの非課税枠を使って、毎月コツコツ積み立てるのにぴったりです。

ETFは1口単位で売買するため、数千円から数万円の資金が必要になります。少額で始めたい人や、毎月一定額を積み立てたい人には不便です。つみたて投資枠は少額からの長期投資を応援する制度なので、投資信託の方が制度の趣旨に合っているのは間違いありません。

成長投資枠ならETFも自由に買える

つみたて投資枠ではETFの選択肢が少ないですが、成長投資枠なら話は別です。ほとんどのETFが対象になっているので、好きな商品を自由に選べます。一括投資やタイミング投資をしたい人には、成長投資枠の方が向いているかもしれません。

1. 成長投資枠ではほとんどのETFが対象になる

成長投資枠の対象商品は、つみたて投資枠よりもずっと幅広いです。国内ETFはもちろん、米国や欧州の主要なETFも購入できます。

S&P500に連動するETFや全世界株式型のETFなど、人気の商品もラインナップされています。つみたて投資枠で物足りなかった人も、成長投資枠なら満足できる選択肢が見つかるはずです。ただし、レバレッジ型や毎月分配型など、一部のETFは対象外になっているので注意が必要です。

2. 一括投資やタイミング投資をしたい人向き

成長投資枠は、つみたて投資枠と違って一括購入もできます。まとまった資金がある人や、相場が下がったタイミングを狙って買いたい人には便利です。

ETFは株式と同じようにリアルタイムで売買できるので、タイミング投資にも向いています。ただし、タイミングを計るのは初心者には難しいですし、頻繁に売買すると手数料もかかります。長期投資を前提にするなら、つみたて投資枠でコツコツ積み立てる方が無難かもしれません。

3. つみたて投資枠との使い分けがポイント

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できます。つみたて投資枠で投資信託を積み立てながら、成長投資枠でETFに一括投資するという使い方も可能です。

例えば、つみたて投資枠で全世界株式の投資信託を毎月積み立て、成長投資枠で米国株ETFを買い増しするといった戦略が考えられます。どちらか一方に偏るよりも、両方の特性を活かした方が柔軟な資産運用ができるでしょう。ただし、無理に両方使う必要はありません。初心者ならまずはつみたて投資枠で投資信託を選ぶのがおすすめです。

ETFと投資信託、コストで選ぶならどっち?

投資をする上で、コストは無視できない要素です。ETFは信託報酬が低いことで知られていますが、本当に投資信託よりお得なのでしょうか。実際には、売買手数料や為替スプレッドなど、見えにくいコストも存在します。トータルで比較することが大切です。

1. 信託報酬はETFの方が低い傾向にある

信託報酬は、投資信託やETFを保有している間、毎日かかる手数料です。一般的に、ETFの方が信託報酬は低く設定されています。

例えば、S&P500に連動する商品を比較すると、米国ETFは年0.03%程度、国内の投資信託は年0.09%前後です。長期保有するなら、この差は無視できません。ただし、最近は投資信託でも信託報酬が極めて低い商品が増えています。eMAXIS Slimシリーズなどは、ETFに負けないコストの安さを実現しています。

2. 売買手数料を含めると長期保有なら投資信託が有利なケースも

ETFは購入時に売買手数料がかかることがあります。証券会社によっては無料になる場合もありますが、全てのETFが対象というわけではありません。

投資信託は、つみたて投資枠で買えば購入手数料はゼロです。信託報酬が若干高くても、売買手数料がかからない分、トータルコストで有利になることもあります。特に、少額を頻繁に積み立てる場合は、投資信託の方がコスト面で優れているはずです。

3. 為替スプレッドも忘れずにチェック

米国ETFを買う場合、円をドルに両替する必要があります。このとき、為替スプレッドというコストが発生します。

為替スプレッドは1ドルあたり数銭程度ですが、積み重なると意外と大きな金額になります。投資信託なら、為替の手続きは運用会社が一括で行うため、個人で両替するよりもコストが抑えられることが多いです。米国株に投資したいなら、米国ETFを直接買うよりも、国内の投資信託を選ぶ方がコスト面で有利かもしれません。

iDeCoではETFを買うことができない

NISAではETFが買えますが、iDeCoでは事情が異なります。iDeCoの対象商品は、投資信託・定期預金・保険の3種類のみです。上場商品であるETFは、制度上買うことができません。

1. iDeCoの対象商品は投資信託・定期預金・保険のみ

iDeCoは老後資金を準備するための制度です。そのため、対象商品は長期的な資産形成に適したものに限定されています。

商品カテゴリ特徴
投資信託国内外の株式や債券に分散投資できる
定期預金元本保証で安全性が高い
保険一定の利回りが期待できる

この3種類の中から、自分のリスク許容度に合わせて選ぶことになります。株式型の投資信託を選べば高いリターンが期待できますし、定期預金を選べば元本割れのリスクを避けられます。

2. 上場商品であるETFは対象外

ETFは証券取引所に上場しているため、リアルタイムで価格が変動します。この特性が、長期の積立投資を前提とするiDeCoには適さないと判断されているのです。

iDeCoは原則60歳まで引き出せない制度です。短期的な売買を繰り返すのではなく、長期でじっくり資産を育てることが求められます。ETFのようなリアルタイム取引ができる商品よりも、投資信託のように1日1回の基準価額で取引される商品の方が、制度の趣旨に合っているのでしょう。

3. 長期の積立投資に適した商品が厳選されている

iDeCoの投資信託は、金融機関が厳選したラインナップになっています。信託報酬が低く、長期的なリターンが期待できる商品が中心です。

  • 国内株式型
  • 先進国株式型
  • 新興国株式型
  • 国内債券型
  • 外国債券型
  • バランス型

ETFが買えないとはいえ、投資信託だけでも十分に分散投資ができます。むしろ、選択肢が多すぎると迷ってしまうので、厳選されたラインナップの方が初心者には選びやすいかもしれません。

NISAとiDeCoはどちらを優先すべきか?

NISAとiDeCoは、どちらも税制優遇が受けられるお得な制度です。しかし、両方を同時に始めるのは資金的に厳しい人も多いでしょう。どちらを優先すべきか迷ったときは、引き出しの自由度や年齢、家計の状況を考えることが大切です。

1. 引き出しの自由度ならNISA、節税効果ならiDeCo

NISAはいつでも引き出せます。急な出費があっても、売却して現金化できるので安心です。一方、iDeCoは原則60歳まで引き出せません。

ただし、iDeCoには掛金が全額所得控除になるという大きなメリットがあります。例えば、年収500万円の人が毎月2万円をiDeCoに拠出すると、年間で約4万8千円の節税効果が得られます。NISAには掛金の所得控除がないので、この点ではiDeCoの方が有利です。

2. 20〜30代はまずNISAから始めるのがおすすめ

若い世代は、結婚や住宅購入など、まとまったお金が必要になる場面が多いです。そのため、いつでも引き出せるNISAの方が使い勝手が良いでしょう。

老後資金の準備は大切ですが、60歳まで引き出せないiDeCoは若い世代にはハードルが高いかもしれません。まずはNISAで投資に慣れて、余裕ができたらiDeCoを追加するという順番が無難です。つみたて投資枠で毎月3万円程度を積み立てるだけでも、長期的には大きな資産になります。

3. 家計に余裕があるなら併用で非課税枠を最大化

家計に余裕がある人は、NISAとiDeCoを併用することで非課税枠を最大限に活用できます。NISAの年間投資枠は360万円、iDeCoは月額2万3千円から6万8千円です。

例えば、NISAで年間120万円、iDeCoで年間27万6千円を積み立てれば、合計で約150万円の非課税投資ができます。税制優遇を最大限に活かしたいなら、両方使わない手はありません。ただし、無理な積立は禁物です。生活防衛資金を確保した上で、余裕資金で投資を始めるのが鉄則です。

おすすめのETF・投資信託の具体例

ここまでの内容を踏まえて、実際にどんな商品を選べば良いのか気になりますよね。つみたて投資枠で買えるETF、低コストの投資信託、成長投資枠で狙える米国株ETFなど、具体的な商品例を紹介します。

1. つみたて投資枠対象のETF8本を紹介

つみたて投資枠で買えるETFは、以下の8本です。国内株式型が7本、海外株式型が1本という構成になっています。

  • ダイワ上場投信-トピックス
  • ダイワ上場投信-日経225
  • ダイワ上場投信-JPX日経400
  • 上場インデックスファンドTOPIX
  • 上場インデックスファンド日経225
  • 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)
  • iシェアーズ・コア TOPIX ETF
  • MAXIS トピックス上場投信

海外株式に投資したいなら、選択肢は「上場インデックスファンド海外先進国株式」の1本だけです。これではさすがに物足りないので、海外株式に投資するなら投資信託を選ぶ方が現実的でしょう。

2. 低コストで人気の投資信託(eMAXIS Slimシリーズなど)

投資信託なら、低コストで人気の商品がたくさんあります。特にeMAXIS Slimシリーズは、業界最低水準の信託報酬を実現していることで有名です。

ファンド名投資対象信託報酬(年率)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)全世界の株式0.05775%以内
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)米国株式0.09372%以内
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス日本を除く先進国株式0.09889%以内

どの商品もコストが非常に低く、長期投資に適しています。全世界株式なら1本で分散投資が完結しますし、米国株式に集中投資したいならS&P500連動型が人気です。

3. 成長投資枠で狙える米国株ETF(IVV、VTIなど)

成長投資枠なら、米国の主要なETFも購入できます。S&P500に連動するIVVや、全米株式に投資できるVTIなどが代表的です。

  • IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF):信託報酬0.03%
  • VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF):信託報酬0.03%
  • VOO(バンガード・S&P 500 ETF):信託報酬0.03%

信託報酬が非常に低く、長期保有に向いています。ただし、米国ETFは為替スプレッドがかかることや、分配金の再投資が手動になることを忘れないでください。初心者なら、国内の投資信託を選ぶ方が手間がかからず、コスト面でも有利なケースが多いです。

まとめ

つみたてNISAでETFを買おうと思っても、選択肢は8本しかありません。投資信託に比べると圧倒的に少ないですし、分配金の自動再投資ができないという弱点もあります。iDeCoに至っては、ETF自体が対象外です。

ただし、成長投資枠を使えば、豊富なETFの中から自由に選ぶことができます。まとまった資金で一括投資したい人や、タイミングを見て売買したい人には向いているでしょう。一方で、長期でコツコツ積み立てるなら、投資信託の方が手間もコストも抑えられます。

大切なのは、制度や商品の特性を理解して、自分の投資スタイルに合った選択をすることです。NISAとiDeCoの併用も検討しながら、無理のない範囲で資産形成を始めてみてください。

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