米国株ETFと全世界株ETFどちらが有利?リターンと分散効果を10年データで比較

米国株ETFと全世界株ETF、どちらに投資すべきか迷っている方は多いのではないでしょうか。新NISAの成長投資枠でも人気の高い米国株ETFと全世界株ETFですが、10年間のリターンや分散効果を比較すると、それぞれに明確な特徴があります。この記事では、過去10年のデータをもとに米国株ETFと全世界株ETFのパフォーマンスを比較し、どちらが有利なのかを解説していきます。

目次

米国株ETFと全世界株ETF、10年リターンで勝つのはどっち?

過去10年間のリターンで比較すると、米国株ETFが全世界株ETFを上回る結果となっています。ただし、これは米国市場が好調だった期間を反映しているため、今後も同じ傾向が続くとは限りません。

1. 過去10年のパフォーマンス比較データ

S&P500指数とMSCI ACWIオールカントリー指数の過去10年を振り返ると、明らかな差が見えてきます。2015年から2025年までの期間で、S&P500は年平均約13%のリターンを記録しているのに対し、全世界株式は年平均約10%程度です。

この3%の差は、10年間の複利効果を考えると大きな違いになります。100万円を投資した場合、S&P500では約340万円、全世界株式では約260万円になる計算ですね。きっと、この差を見て米国株一択と考える方も多いはずです。

主なETFのパフォーマンス比較は以下の通りです。

ETF名対象指数10年平均リターン
VOOS&P500約13%
VTI全米株式約13.5%
VT全世界株式約10%

2. 米国株ETF(S&P500)の10年平均リターン

S&P500に連動する米国株ETFは、過去10年で圧倒的なパフォーマンスを見せています。代表的なVOOやSPYといったETFは、年平均13%前後のリターンを実現しました。

これほど高いリターンが出た背景には、GAFAMと呼ばれる巨大テック企業の成長があります。アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、メタといった企業がS&P500の時価総額の大部分を占めており、その恩恵を受けられたのです。おそらく、今後もテクノロジー企業の成長が続けば、この優位性は保たれるでしょう。

3. 全世界株ETF(オルカン)の10年平均リターン

一方、全世界株ETFの10年平均リターンは約10%です。米国株ETFと比べると見劣りするかもしれませんが、これでも十分に優れたパフォーマンスといえます。

実は全世界株ETFの組入比率を見ると、約60%が米国株で占められています。つまり、米国株の上昇の恩恵はしっかり受けつつ、残りの40%で新興国や欧州などにも分散投資している形です。米国一強の時代には不利に見えますが、世界経済全体の成長を取り込める安心感がありますね。

知っておきたいリスクとリターンの関係

リターンが高いほどリスクも大きくなるのが投資の基本です。米国株ETFと全世界株ETFでは、そのリスクの性質が異なります。

1. 米国株ETFのリスク水準とは?

米国株ETFのリスクは、米国市場への集中投資による偏りです。もし米国経済が低迷すれば、ポートフォリオ全体が大きく影響を受けます。

過去には、2000年代初頭のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックで、S&P500が50%近く下落した時期もありました。短期的な値動きの激しさは覚悟しておく必要がありますね。ただし、長期で見れば回復してきた実績があるのも事実です。

米国株ETFの主なリスクは以下です。

  • 米国市場への集中リスク
  • 為替変動の影響
  • 特定セクター(テクノロジー)への偏り
  • 短期的な価格変動の大きさ

2. 全世界株ETFの分散効果はどれくらい?

全世界株ETFの最大のメリットは、47カ国以上の株式に分散投資できる点です。地域別の構成比率を見ると、米国60%、欧州15%、日本6%、新興国15%といった配分になっています。

この分散効果により、米国市場が不調でも他の地域がカバーしてくれる可能性があります。実際、2010年代前半は新興国の成長が米国を上回る時期もありました。きっと、将来どの国が成長するか予測できない人にとっては、全世界に投資しておく方が安心できるはずです。

3. 投資期間によって変わる損失リスク

投資期間が長くなるほど、損失リスクは低下していきます。15年以上の長期投資では、S&P500も全世界株式もほぼマイナスになったことがないというデータがあります。

短期的には米国株の方が値動きが激しいのですが、10年以上の視点で見れば十分にリスクを吸収できます。おそらく、投資期間が20年以上取れる若い世代なら、多少のリスクを取ってでも米国株ETFを選ぶ価値があるのではないでしょうか。

米国株と全世界株、組入銘柄の違いとは?

米国株ETFと全世界株ETFでは、組み入れられている銘柄の範囲が大きく異なります。それぞれの代表的なETFを見ていきましょう。

1. 米国株ETFの代表銘柄(VOO・VTIなど)

米国株ETFの代表格は、S&P500に連動するVOOと、全米株式に投資するVTIです。VOOは米国の大型株約500銘柄に投資し、経費率は0.03%と非常に低コストです。

VTIはさらに幅広く、米国株式市場全体の約4,000銘柄をカバーしています。中小型株も含まれるため、VOOよりもわずかにリターンが高い傾向があります。個人的には、米国株に投資するならVTIの方が分散が効いていて安心できると思います。

2. 全世界株ETFの代表銘柄(VT・オルカンなど)

全世界株ETFの代表は、バンガード社のVTと、投資信託のeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)です。VTは1本で47カ国、約9,000銘柄に分散投資できる優れものです。

オルカンは投資信託なので、ETFとは仕組みが異なりますが、同じMSCI ACWIという指数に連動しています。信託報酬は0.05775%とVTの0.07%よりもわずかに安いです。日本の証券口座で買うなら、為替手数料がかからないオルカンの方が有利ですね。

3. 組入国・企業の比率を比較

全世界株ETFの国別構成比率を見ると、米国が約60%を占めています。次いで日本が約6%、イギリスが約4%、中国が約3%といった配分です。

つまり、全世界株ETFを買っても、結局は米国株の影響を強く受けるのです。それでも、米国以外の40%に投資することで、将来的な分散効果を期待できます。新興国の成長が加速すれば、その恩恵を受けられる可能性がありますね。

主要ETFの組入上位国は以下の通りです。

順位国名構成比率
1位米国約60%
2位日本約6%
3位イギリス約4%
4位中国約3%
5位フランス約3%

分散投資の効果は本当にあるのか?

分散投資はリスクを下げる効果があると言われますが、実際のところどうなのでしょうか。全世界株ETFの分散効果について、もう少し掘り下げて考えてみます。

1. 全世界株の約6割は米国という現実

全世界株ETFに投資しても、6割が米国株である以上、米国市場の影響からは逃れられません。つまり、S&P500が下がれば全世界株も一緒に下がるのです。

この事実を知ると、「それならS&P500だけでいいのでは?」と思う方もいるはずです。確かに、過去10年のデータを見る限り、その考えは間違っていません。ただし、未来もそうとは限らないのが投資の難しいところですね。

2. 両方を組み合わせる意味はあるのか?

S&P500とオルカンを半分ずつ保有する戦略も人気があります。この組み合わせにより、米国株の比率を約80%まで高めつつ、全世界への分散も維持できます。

ただし、正直なところ、この戦略に大きなメリットがあるかは疑問です。S&P500一本か、オルカン一本のどちらかに絞った方が、シンプルで管理もしやすいのではないでしょうか。投資は複雑にすればいいというものではありませんからね。

3. 株式以外の資産クラスとの分散も検討すべき理由

本当の分散投資を考えるなら、株式以外の資産クラスも検討すべきです。債券や不動産、金などを組み合わせることで、株式市場全体が下落した時のリスクを軽減できます。

米国株か全世界株かで悩むよりも、ポートフォリオ全体のバランスを考える方が重要かもしれません。株式100%で投資するのは、それなりのリスク許容度が必要ですからね。おそらく、年齢やライフステージに応じて債券の比率を増やしていくのが賢明でしょう。

米国株ETFを選ぶべき人の特徴

米国株ETFが向いているのは、どんな人なのでしょうか。リスクを取ってでも高リターンを狙いたい方には最適な選択肢です。

1. 高いリターンを狙いたい人向け

過去のデータを見る限り、米国株ETFは全世界株ETFよりも高いリターンを実現してきました。年3%の差は、長期投資では大きな違いになります。

資産を早く増やしたい、FIREを目指しているといった方には、米国株ETFが適しているでしょう。ただし、その分だけリスクも高いことは理解しておく必要があります。きっと、米国経済の成長に賭けられる人だけが選ぶべき道ですね。

2. 15年以上の長期投資ができる人に有利

米国株ETFの真価は、長期投資で発揮されます。短期的には大きく下落することもありますが、15年以上保有すればマイナスになる確率はほぼゼロです。

若い世代で、老後資金づくりのために長期投資できる方には理想的な選択肢といえます。時間を味方につけられるのは、若い投資家の最大の武器ですからね。おそらく、20代や30代なら米国株ETF一本でも問題ないのではないでしょうか。

3. 米国経済の成長に期待する人

米国は世界最大の経済大国であり、今後もその地位は続くと予想されています。テクノロジー、金融、ヘルスケアなど、イノベーションを生み出す力は他国を圧倒しています。

米国経済の成長を信じられる人にとって、米国株ETFは最適な投資先です。ただし、過信は禁物ですね。歴史を振り返れば、覇権国家が入れ替わることもあるのですから。

全世界株ETFを選ぶべき人の特徴

一方、全世界株ETFが向いているのは、リスクを抑えつつ着実に資産を増やしたい人です。安定志向の方には全世界株ETFの方が安心できるでしょう。

1. リスクを抑えたい初心者に最適

投資初心者にとって、全世界株ETFは理想的なスタート地点です。1本買うだけで世界中に分散投資できるため、銘柄選びに悩む必要がありません。

米国だけに集中投資するのは不安という方も多いはずです。全世界株ETFなら、どの国が成長しても恩恵を受けられる安心感があります。投資の第一歩としては、とてもバランスの取れた選択肢ですね。

2. 10年以上の投資期間がある人

全世界株ETFも、10年以上の長期投資で真価を発揮します。米国株ETFほどではありませんが、年10%前後のリターンは十分に魅力的です。

短期的には米国株に劣後するかもしれませんが、長期的には世界経済全体の成長を取り込めます。おそらく、30年、40年という超長期で見れば、米国株との差は縮まる可能性もあるでしょう。

3. 世界経済全体の成長を取り込みたい人

未来がどうなるか分からないからこそ、世界全体に投資しておきたいという考え方もあります。インドや東南アジアなど、今後成長が期待される新興国も含まれています。

米国一強の時代が終わる可能性を考えると、全世界株ETFは保険的な意味合いもあります。どの国が次の成長エンジンになるか予測できない以上、全てに賭けておくのが賢明かもしれませんね。

コストと手数料で比較するとどちらが有利?

長期投資では、わずかなコストの差が大きな影響を与えます。米国株ETFと全世界株ETFの手数料を比較してみましょう。

1. 信託報酬(経費率)の違い

米国株ETFのVOOは経費率0.03%、VTIは0.03%と非常に低コストです。一方、全世界株ETFのVTは0.07%、オルカンは0.05775%となっています。

数字だけ見ると、米国株ETFの方が有利に見えます。しかし、0.03%と0.05%の差は、100万円投資しても年間200円程度の違いです。正直なところ、この差を気にするほどではないでしょう。

2. 米国ETFと投資信託のコスト比較

米国ETFを買う場合、為替手数料や売買手数料がかかります。日本の投資信託(オルカン)なら、これらのコストが不要です。

トータルコストで考えると、実は投資信託のオルカンの方が有利なケースが多いのです。特に少額投資では、為替手数料の影響が大きくなりますね。きっと、100万円以下の投資なら、オルカンを選んだ方が賢明でしょう。

主要ETF・投資信託のコスト比較は以下です。

商品名経費率/信託報酬その他コスト
VOO0.03%為替手数料・売買手数料
VTI0.03%為替手数料・売買手数料
VT0.07%為替手数料・売買手数料
オルカン0.05775%なし

3. 長期保有で差が出る手数料の影響

30年間の長期投資で考えると、コストの差は複利で膨らんでいきます。ただし、0.02%の差が30年でどれだけ影響するかというと、意外と小さいのです。

1,000万円を30年間運用した場合、0.02%のコスト差は最終的に数十万円程度の違いにしかなりません。おそらく、コストよりもリターンの違いの方が遥かに大きな影響を与えるでしょう。手数料ばかり気にして、肝心のリターンを見失わないようにしたいですね。

まとめ

米国株ETFと全世界株ETFの比較を見てきましたが、結局のところ正解はありません。過去10年は米国株が圧勝でしたが、次の10年も同じとは限らないのです。大切なのは、どちらを選んだとしても長期で保有し続けることではないでしょうか。市場のタイミングを読もうとするよりも、早く始めて時間を味方につける方が、確実に資産を増やせるはずです。

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