日本株の高配当ETFに興味がある方は、証券コードで1478・1698・1489という3つの銘柄を目にしたことがあるのではないでしょうか。これらは東証に上場している日本株の高配当ETFの中でも特に人気があり、配当収入を狙う投資家から注目されています。ただ、同じ高配当ETFといっても、分配金利回りや組入銘柄の構成には大きな違いがあるんです。この記事では、1478・1698・1489の3つの日本株高配当ETFについて、それぞれの特徴と分配金の違いを詳しく分析していきます。
日本株の高配当ETFとは?配当収入を狙う投資のしくみ
高配当ETFは、配当利回りの高い銘柄を集めたパッケージ商品です。個別株を1つずつ選ぶ手間をかけずに、配当が多い企業にまとめて投資できるという便利さがあります。投資信託のように自動で分散投資ができるので、リスクを抑えながら配当収入を狙いたい方には最適な選択肢ですね。
1. 高配当ETFは配当金が多い銘柄をまとめて買える商品
高配当ETFの最大の魅力は、複数の高配当銘柄に一度に投資できる点です。例えば1489であれば日経平均を構成する225社の中から配当利回りが高い50銘柄を選んで投資しています。
個別株で高配当ポートフォリオを組むには、かなりの資金と銘柄選定の知識が必要になります。ETFなら数万円から始められて、運用会社が銘柄の入れ替えも自動でやってくれるんです。銘柄選びに自信がない方でも、プロと同じような分散投資ができるというわけですね。
2. 分配金利回りは平均3~4%ほどで安定収入が期待できる
日本株の高配当ETFの分配金利回りは、おおむね3~4%程度となっています。普通預金の金利が0.001%という時代ですから、この利回りはかなり魅力的です。
分配金は年1回から年4回まで、ETFによって支払い頻度が異なります。1489は年4回、1698は年2回、1478も年2回という形です。定期的に配当収入を得られるので、老後の生活資金の一部として活用している方も多いようですね。
3. 新NISAの成長投資枠で購入可能という点も魅力
これらの高配当ETFは、すべて新NISAの成長投資枠で購入できます。つまり、得られた分配金には税金がかからないということです。
通常は配当金に約20%の税金がかかるのですが、NISA口座で保有していればその税金がゼロになります。分配金利回り4%の場合、年間40万円投資していれば1万6千円の配当が非課税で受け取れる計算ですね。長期で保有するほど、この税制優遇のメリットは大きくなっていきます。
1478・1698・1489の基本情報を比較
3つの高配当ETFは、それぞれ異なる指数に連動しています。運用会社も違えば、投資方針にも特徴があるんです。ここでは各ETFの基本的なスペックを見ていきましょう。
| 銘柄コード | 名称 | 運用会社 | 連動指数 | 上場年 |
|---|---|---|---|---|
| 1478 | iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF | ブラックロック | MSCIジャパン高配当利回りインデックス | 2017年 |
| 1698 | 上場インデックスファンド日本高配当 | 日興アセットマネジメント | 東証配当フォーカス100指数 | 2010年 |
| 1489 | NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 | 野村アセットマネジメント | 日経平均高配当株50指数 | 2010年 |
1. 1478(iシェアーズ MSCIジャパン高配当利回りETF)の特徴
1478は世界最大の資産運用会社であるブラックロックが運用しているETFです。MSCIジャパン高配当利回りインデックスという指数に連動していて、大型株を中心に構成されています。
このETFの特徴は、単純に配当利回りが高いだけでなく、財務の健全性も考慮して銘柄を選んでいる点です。配当性向が高すぎる企業や、利益が不安定な企業は除外される仕組みになっています。信託報酬は0.209%と3つの中では最も低コストで、長期保有に向いているといえますね。
2. 1698(上場インデックスファンド日本高配当)の特徴
1698は日興アセットマネジメントが運用する、歴史の長いETFです。2010年の上場以来、15年近い運用実績があります。東証配当フォーカス100指数に連動していて、株式90銘柄とREIT10銘柄という独特の構成になっています。
REIT(不動産投資信託)を組み入れているのは3つの中でこのETFだけです。REITは株式とは異なる値動きをするため、分散効果が期待できます。10年増配率が11.3%と、長期的に分配金が増えている点も注目ですね。
3. 1489(NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信)の特徴
1489は野村アセットマネジメントが運用する、純資産総額が3000億円を超える大型ETFです。日経平均を構成する225社の中から、配当利回りが高い上位50銘柄を選んで投資しています。
銘柄数が50と絞り込まれているため、高配当へのフォーカスが強いのが特徴です。分配金は年4回支払われ、直近の分配金利回りは3.5%前後と3つの中では最も高くなっています。人気の高さから流動性も十分で、売買のしやすさという点でも優れていますね。
3つのETFの分配金利回りの違い
分配金利回りは高配当ETFを選ぶ上で最も重要な指標です。ただし、利回りが高ければ良いというわけでもありません。安定性や増配傾向も合わせて確認する必要があります。
1. 1489は分配金利回り3.5%前後で3つの中では最も高い
1489の分配金利回りは直近で3.5%程度となっています。年4回の分配金支払いがあり、2024年の実績では1口あたり年間70円ほどの分配金が出ています。
この高い利回りは、日経平均225社の中から配当利回りトップ50に絞り込んでいることが理由です。ただし、銘柄の入れ替えは年に2回あるため、組入銘柄は定期的に変動します。配当利回りが下がった銘柄は外れて、新たに上位に入った銘柄が組み入れられるという仕組みですね。
2. 1698は3.2%前後で安定した分配金が魅力
1698の分配金利回りは3.2%前後で推移しています。1489よりはやや低いものの、株式とREITを組み合わせた構成により、安定性が高いのが特徴です。
年2回の分配金支払いで、2024年の実績では1口あたり年間50円程度となっています。注目すべきは10年増配率が11.3%という点で、長期的に見ると分配金が着実に増えているんです。今は利回りで1489に劣っていても、10年後には逆転している可能性もありますね。
3. 1478は2.6%前後とやや控えめな利回り
1478の分配金利回りは2.6%前後と、3つの中では最も低くなっています。ただし、これは財務健全性を重視した銘柄選定の結果です。
配当性向が高すぎる企業を除外しているため、一時的に高配当でも持続可能性が低い銘柄は組み入れられません。利回りは控えめですが、減配リスクが低く、長期的に安定した配当が期待できるという考え方ですね。信託報酬も最も低いため、トータルのコストパフォーマンスでは優れているといえます。
分配金の推移と増配率を分析
過去の分配金がどう推移してきたかは、将来の配当を予測する上で重要です。一時的に高配当でも、その後減配してしまうETFでは意味がありません。ここでは各ETFの分配金の推移を見ていきましょう。
1. 1489は2022年以降に分配金が大きく増加
1489の分配金は2022年以降、大きく増加しています。2021年頃までは1口あたり年間50円程度でしたが、2024年には70円台まで上昇しました。
この増配の背景には、日本企業全体の配当政策の変化があります。株主還元を重視する企業が増え、配当を増やす動きが広がったんです。1489は配当利回り上位50社に絞り込んでいるため、この増配トレンドの恩恵を強く受けたといえますね。今後も企業の増配が続けば、さらなる分配金の増加が期待できます。
2. 1698は10年増配率11.3%で長期的に増配傾向
1698の10年増配率は11.3%と、3つの中で最も高い数字です。2010年の上場以来、分配金は着実に増えてきています。
年率に換算すると約1%の増配率ですが、複利で考えると10年で11.3%の増加となります。株式とREITを組み合わせた構成が、この安定した増配に寄与しているのかもしれません。長期投資を前提にするなら、この増配傾向は大きな魅力ですね。
3. 1478は年2回の分配金で推移はやや不安定
1478の分配金は年2回の支払いで、推移はやや不安定な面があります。2017年の上場以来、分配金の金額は年によって変動しています。
これは組入銘柄の配当政策の変化や、為替の影響(MSCIインデックスはドル建て計算)などが理由です。ただし、長期的に見ると減配傾向にあるわけではなく、景気サイクルに応じた変動の範囲内といえます。財務健全性を重視している分、急激な減配リスクは低いと考えられますね。
組入銘柄の構成はどう違うのか
同じ高配当ETFでも、どんな銘柄に投資しているかは大きく異なります。組入銘柄の違いは、リターンやリスクの特性に直結するんです。ここでは各ETFの銘柄構成を詳しく見ていきましょう。
| ETF | 組入銘柄数 | 主な構成 | 特徴的な銘柄 |
|---|---|---|---|
| 1478 | 約100銘柄 | 大型株中心 | トヨタ自動車、三菱UFJ等 |
| 1698 | 100銘柄 | 株式90+REIT10 | 電力株、不動産株、REIT |
| 1489 | 50銘柄 | 日経225から選定 | JT、武田薬品、商社株 |
1. 1489は日経平均225社から配当利回り上位50銘柄を選定
1489の組入銘柄は、日経平均を構成する225社の中から配当利回りが高い上位50社です。銘柄の入れ替えは年2回行われ、常に配当利回りトップ50を維持しています。
主な組入銘柄としては、JT(日本たばこ産業)、武田薬品工業、三菱商事などが挙げられます。これらは配当利回りが4~5%と高く、安定した配当を出している企業です。銘柄数が50と少ない分、それぞれの銘柄の影響が大きくなるため、分散は3つの中では最も低いといえますね。
2. 1698は株式90銘柄とREIT10銘柄で構成
1698は株式90銘柄とREIT10銘柄という独特の構成です。東証配当フォーカス100指数に連動していて、配当利回りと配当継続性を重視して銘柄を選定しています。
株式部分では電力株や不動産株の比率が高く、REITでは住宅や商業施設など様々なタイプが含まれています。REITは株式とは異なる値動きをするため、ポートフォリオの分散効果が期待できるんです。不動産市場と株式市場の両方から配当収入を得られるというのは面白い構成ですね。
3. 1478は財務健全性を重視した大型株中心の構成
1478は約100銘柄で構成され、大型株が中心となっています。MSCIジャパン高配当利回りインデックスに連動していて、単純な配当利回りだけでなく財務健全性も考慮されています。
トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニーグループなど、日本を代表する大企業が上位に入っています。配当性向が100%を超えるような企業や、利益が不安定な企業は除外される仕組みです。このため、一時的に高配当でも持続可能性が低い銘柄は組み入れられません。
トータルリターンとリスクで比較
分配金利回りだけでなく、価格変動も含めたトータルリターンを見ることが重要です。また、どれだけリスク(価格変動)を取っているかも確認する必要がありますね。
1. 3年リターンは1489が28%でトップクラス
1489の3年トータルリターンは約28%と、3つの中では最も高いパフォーマンスです。2022年以降の日本株上昇相場で、高配当株が大きく評価されたことが背景にあります。
日経平均が上昇する局面では、1489の組入銘柄である大型高配当株も恩恵を受けやすいんです。配当利回りが高い銘柄は割安に放置されていることが多く、見直し買いが入ると大きく上昇します。ここ数年は配当と値上がり益の両方を得られる理想的な展開だったといえますね。
2. 5年リターンでは1489と1698が高水準
5年トータルリターンで見ると、1489と1698がともに高水準となっています。1489は約45%、1698は約40%のリターンです。
1478は5年リターンが約30%とやや見劣りしますが、これは財務健全性を重視した結果ともいえます。リスクを抑えた運用をしている分、上昇相場での伸びは控えめになるんです。ただし、下落相場での下げも小さくなる可能性がありますね。
3. シャープレシオで見る投資効率の違い
シャープレシオはリスク(標準偏差)に対するリターンの効率を示す指標です。数字が大きいほど、同じリスクでより高いリターンを得られたことになります。
3つのETFのシャープレシオを比較すると、1489が最も高く、次いで1698、1478という順番です。1489は高いリターンを上げながらも、リスクはそれほど大きくなかったということですね。ただし、過去のデータであって将来を保証するものではありません。
信託報酬(コスト)の違いを確認
長期投資では、信託報酬などのコストが積み重なって大きな差になります。わずかな違いでも、10年、20年と保有すれば無視できない金額になるんです。
1. 1478は0.209%で最も低コスト
1478の信託報酬は年率0.209%(税込)と、3つの中では最も低コストです。100万円投資していても年間2,090円のコストで済みます。
ブラックロックは世界最大の資産運用会社で、スケールメリットを生かした低コスト運用が特徴です。長期で保有するほど、このコスト差は効いてきます。30年保有すれば、1%のコスト差は総資産の20~25%の差になるといわれているんです。
2. 1698と1489は0.3%前後で標準的
1698と1489の信託報酬はともに0.308%(税込)となっています。国内株式のETFとしては標準的な水準です。
100万円投資した場合、年間3,080円のコストがかかる計算です。1478と比べると年間約1,000円の差ですが、投資額が大きくなるほど差も広がります。ただし、コストだけでなくリターンとのバランスで考える必要がありますね。
3. 長期保有ではコストの差が収益に影響
信託報酬の差は、長期になるほど複利で効いてきます。例えば1,000万円を30年間投資した場合、信託報酬が0.2%と0.3%では最終的な資産額に数十万円の差が生まれるんです。
ただし、コストが低ければ良いというわけでもありません。1478はコストが最安ですが、直近のリターンでは1489に劣っています。コストとパフォーマンスの両方を見て、総合的に判断することが大切ですね。
3つのETFの純資産総額と人気度
純資産総額は、そのETFにどれだけの資金が集まっているかを示します。人気のバロメーターであり、流動性の高さにも関係するんです。
1. 1489は3000億円超えで圧倒的な規模
1489の純資産総額は3,000億円を超えていて、3つの中では圧倒的な規模です。日本の高配当ETFとしてはトップクラスの人気を誇ります。
純資産が大きいということは、それだけ多くの投資家に支持されているということです。また、売買の出来高も多く、いつでも売買しやすいというメリットがあります。大口の売買でも価格への影響が小さいため、機関投資家にも選ばれているんですね。
2. 1478は900億円台で順調に成長中
1478の純資産総額は900億円台となっています。2017年の上場から順調に資金が流入していて、成長が続いています。
ブラックロックというブランド力と、低コストという強みが投資家に評価されているようです。特に新NISAの成長投資枠での購入が増えていて、今後も資金流入が期待できますね。純資産が1,000億円を超えると、さらに流動性が高まる可能性があります。
3. 1698は400億円台だが歴史は最も長い
1698の純資産総額は400億円台です。3つの中では最も小さいですが、2010年上場と歴史は最も長いETFです。
純資産が小さいからといって問題があるわけではありません。400億円あれば十分な規模ですし、売買に困ることもないでしょう。株式とREITを組み合わせた独特の構成が、一定の支持を集めているようですね。増配率の高さも、長期投資家には魅力的に映っています。
どんな人にどのETFがおすすめか
3つのETFにはそれぞれ特徴があり、向いている投資家のタイプも異なります。ここでは、どんな方にどのETFが合っているかを整理してみましょう。
1. 分配金利回りを重視するなら1489がおすすめ
今すぐに高い配当収入が欲しいという方には、1489が最適です。分配金利回りは3.5%前後と3つの中で最も高く、年4回の分配金支払いがあります。
例えば1,000万円投資すれば、年間35万円ほどの分配金が期待できます。四半期ごとに約8~9万円の収入になるので、生活費の補填や趣味の資金に使えますね。純資産総額も大きく流動性が高いため、売買のしやすさも魅力です。
2. 長期的な安定性を求めるなら1698が候補
じっくりと長期で保有して、増配を楽しみたい方には1698が向いています。10年増配率が11.3%と、長期的に分配金が増えている実績があります。
株式とREITを組み合わせた構成により、分散効果も期待できます。不動産市場と株式市場の両方から収入を得られるという点も面白いですね。今の利回りは3.2%程度ですが、10年後、20年後にはもっと高くなっている可能性があります。
3. コスト重視で大型株中心なら1478が選択肢
信託報酬を抑えたい方や、財務が健全な大企業に投資したい方には1478が適しています。信託報酬0.209%は長期投資でのコストメリットが大きいです。
分配金利回りは2.6%前後とやや低めですが、減配リスクが小さく安定性が高いといえます。トヨタや三菱UFJなど、誰もが知る大企業が中心なので安心感もありますね。リスクを抑えながら、着実に配当収入を得たいという方にはぴったりです。
まとめ
1478・1698・1489という3つの日本株高配当ETFは、それぞれに明確な個性があります。どれが一番良いというわけではなく、投資家の目的や好みによって選択が変わってくるんです。面白いのは、複数のETFを組み合わせて保有するという方法もあるということですね。例えば1489で高い配当収入を確保しつつ、1478で安定性を加えるといった使い方もできます。また、これらのETFは個別株と組み合わせることもできますし、米国株の高配当ETFと併用して国際分散を図ることも可能です。配当投資の選択肢は意外と幅広いので、自分なりのポートフォリオを考えてみるのも楽しいかもしれません。

