2024年から新NISAが始まり、これまでつみたてNISAで積み立ててきた資産がどうなるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、つみたてNISAの資産はそのまま非課税で運用を続けられます。新NISAとつみたてNISAは別枠で管理されるため、移行手続きも基本的に不要です。ただし、非課税期間の終了時期や金融機関の変更など、いくつか押さえておきたいポイントがあります。この記事では、新NISAでつみたてNISAの資産がどうなるのか、移行に関する手続きや注意点について詳しく解説していきます。
新NISAでつみたてNISAの資産はどうなる?
新NISAが始まったことで、これまで積み立ててきた資産の扱いに不安を感じている方もいるかもしれません。ただ、実際には特別な手続きをしなくても、今まで通り運用できるので安心です。つみたてNISAと新NISAは完全に別の制度として扱われるため、それぞれの枠を活用できます。
1. つみたてNISAの資産はそのまま運用できる
旧つみたてNISAで保有している商品は、新NISA開始後も非課税期間が終了するまで現行の口座で保有できます。つみたてNISAで保有していた商品の非課税保有期間は、旧NISAの制度にもとづいた期間のままです。つまり商品の購入時から20年間は非課税という恩恵を受け続けられるということですね。
たとえば2020年に投資した分は2039年まで、2023年に投資した分は2042年まで非課税で運用できます。売却などの手続きは必要なく、そのまま持ち続けることができるので便利です。新しい制度が始まったからといって、慌てて売却する必要はありません。
2. 新NISAとは別枠で管理される
旧NISAと新NISAは、別口座で管理され、それぞれ運用できます。これはかなり大きなメリットではないでしょうか。たとえばつみたてNISAで200万円運用している場合でも、新NISAの非課税保有限度額が1,600万円となることはなく、1,800万円まで投資できます。
新NISAの非課税保有限度額の影響を受けず、旧つみたてNISAの資産を保有できるということです。つまり旧NISAと新NISAを合わせると、非課税で運用できる金額が大幅に増えることになります。長期的な資産形成を考えている方にとっては、かなり有利な状況といえるでしょう。
新NISAとつみたてNISAを併用した場合の違いをまとめると以下のようになります。
| 項目 | つみたてNISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 非課税保有期間 | 20年間 | 無期限 |
| 年間投資枠 | 40万円 | 360万円 |
| 非課税保有限度額 | なし | 1,800万円 |
| 新規買付 | 2023年まで | 2024年以降も可能 |
3. 新規の買付は2023年で終了している
旧NISAで積立や買付が可能なのは2023年までで、新たに投資することはできません。これは少し残念に感じるかもしれませんが、仕方のないことです。ただし旧NISAでの運用は売却するか、非課税保有期間が終わるまで続きます。
2024年以降は旧NISAでの商品の新規購入はできなくなっています。新しく投資したい場合は、新NISA口座を利用する必要があります。旧NISAの資産はそのまま保有しつつ、新NISAで追加投資をするという形になるわけですね。
新NISAへの移行手続きは必要?
移行手続きについて心配している方も多いのではないでしょうか。実は基本的に何もしなくて大丈夫です。証券会社が自動的に対応してくれるため、特別な書類を用意したり窓口に行ったりする必要はありません。
1. 基本的に手続きは不要
つみたてNISAから新NISAへの切り替え手続きは必要ありません。新NISAの開始前にNISA口座を保有していた方は、2024年時点で新NISAの口座に自動的に移行されています。したがって切り替えのために手続きをしたり書類を提出したりする必要はありません。
これはかなり助かるポイントですね。忙しい方でも、何も気にせず新NISAを始められます。証券会社側で必要な処理を済ませてくれているので、安心して資産運用に集中できるでしょう。
2. 積立設定は自動で引き継がれる
つみたてNISAで自動積立設定をしていた場合は、新NISA口座でも同じ設定が引き継がれます。たとえばつみたてNISAでAファンドに毎月3万円の積立設定をしていた場合、新NISAでも同じ設定が継続されるということです。
すでにNISA口座を持っている人は、同じ金融機関で新しいNISA口座が開設され、今までの積立設定が引き継がれています。ただし投資枠が拡大しているため、積立額を増やしたい場合は設定変更をする必要があります。新NISAでは年間360万円まで投資できるので、余裕があれば増額を検討してもよいかもしれません。
3. 金融機関を変更する場合のみ手続きが必要
ただし新NISAへの切り替えにともない金融機関や積立設定の変更をしたい場合は、「これまでNISA口座を保有していた金融機関」と「新たにNISA口座を開設する金融機関」にて手続きをおこなう必要があります。NISA開始に伴い証券会社を変更したい場合は、2023年10月1日から2024年9月30日までに証券口座の変更手続きが必要です。
金融機関の変更を考えている方は、早めに手続きを進めることをおすすめします。手続きには時間がかかるため、投資したいタイミングを逃さないよう注意が必要です。また変更前の金融機関で保有している商品は移管できないため、複数の口座を管理することになります。
つみたてNISA資産を新NISAに移すことはできる?
旧NISAの資産を新NISAに移したいと考えている方もいるでしょう。ただし制度上、直接移管することはできません。新NISAと旧NISAは別の制度として扱われるため、資産を統合することは不可能です。
1. ロールオーバーはできない
旧NISAから新NISAへのロールオーバーはできません。つみたてNISA口座で保有する商品は、新しいNISAの口座には移管されません。旧NISAで保有している商品を新NISAへ移行したい場合は、一度売却し、もう一度同じ商品を購入する必要があります。
これは少し面倒に感じるかもしれませんが、制度の仕組み上仕方のないことです。ロールオーバーができた旧NISA制度とは異なり、新NISAでは資産の移管ができなくなっています。ただし別枠で保有できるメリットを考えると、必ずしもデメリットばかりではありません。
2. 売却して現金化する方法がある
つみたてNISA口座の資産を新しいNISA口座に移すためには、商品を売却して現金化する必要があります。たとえばつみたてNISA口座で商品を保有していても、新しいNISAで新規投資できる金額が減ることはありません。
つみたてNISAで投資した商品の運用益をさらに増やしたいときや、含み損を解消したいときは、新NISA開始後もしばらくは保有し続けるとよいでしょう。売却するタイミングは慎重に考える必要があります。市場の状況を見ながら、ベストなタイミングを見極めることが大切です。
旧NISAから新NISAへ資産を移したい場合の選択肢は以下の通りです。
- 旧NISA口座で売却してから新NISA口座で同じ商品を買い直す
- 旧NISAと新NISAを別枠として両方で保有し続ける
- 非課税期間が終了するまで旧NISA口座で保有を続ける
3. 別枠で保有する方が有利な場合もある
新NISAと旧NISAは、別の口座で管理されるため併用が可能です。そのため、つみたてNISA口座で購入した商品を引き続き非課税で運用しながら、新しいNISAのつみたて投資枠で商品を積み立てられます。これはかなり大きなメリットではないでしょうか。
2023年につみたてNISAで投資した分は2042年まで新NISAとは別枠で運用を続けることが可能であり、新NISAと旧NISAを併用する恩恵を長期間受けられます。無理に売却せず、そのまま保有しておく方が有利なケースも多いでしょう。長期的な資産形成を考えると、別枠で保有し続けることをおすすめします。
つみたてNISAの非課税期間終了後はどうなる?
非課税期間が終了した後の扱いについて不安を感じている方もいるかもしれません。20年という期間は長いようで、意外とあっという間に過ぎてしまうものです。終了後の対応について、今のうちから理解しておくことが大切でしょう。
1. 自動的に課税口座へ移管される
旧NISA口座の保有商品は、非課税期間終了後は課税口座に移管されます。非課税期間が過ぎると、自動的に課税口座へ移管されます。たとえばつみたてNISAを利用していた場合、制度開始の2018年から始めた方なら、2018年の購入分は2037年まで非課税です。
課税口座への移管は証券会社が自動的に行ってくれるため、特別な手続きは必要ありません。ただし移管されたことに気づかず放置してしまうケースもあるので注意が必要です。定期的に口座の状況を確認しておくことをおすすめします。
2. 課税口座での運用になる
非課税期間終了後は、非課税期間が終わる時点の価額を元本として、残高は自動的に課税口座に移管されます。課税口座で運用して得られた利益には、20.315%の税金がかかります。非課税期間が終了する前に売却すれば、運用によって得られた利益をまるごと受け取ることができます。
これは結構大きな違いですね。20.315%の税金は決して小さくありません。たとえば10万円の利益が出ていても、約2万円が税金として引かれてしまいます。非課税期間中に売却するか、課税を受け入れて保有し続けるか、よく考える必要があるでしょう。
3. 売却するかどうかの判断が必要
課税口座へ移管される直前に売却したい場合は、受渡日が年内となるように売却手続きをしなければなりません。受渡日を年内にするための取引最終日は、証券会社や商品によって異なるため、非課税期間終了間際まで運用したい場合は注意が必要です。
非課税期間が終了するまでに、売却するか課税口座で運用を続けるかを選ぶ必要があります。市場の状況や今後の見通しを考えながら、最適な判断をすることが大切です。含み益が大きい場合は非課税期間中に売却した方がお得ですし、含み損がある場合は課税口座で値上がりを待つという選択肢もあります。
新NISAとつみたてNISAを併用する際の注意点は?
併用できるのは便利ですが、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。特に非課税期間の管理や売却タイミングについては、しっかり理解しておく必要があるでしょう。
1. 旧NISAで新規買付ができない
2023年までの一般NISAやつみたてNISAの新規買付は、2023年で終了となりました。2024年以降は、NISAでの買付しかできないので気をつけましょう。旧NISAでの運用は売却するか、非課税保有期間が終わるまで続きます。
これを知らずに旧NISA口座で追加投資しようとしても、できなくなっています。新しく投資したい場合は、必ず新NISA口座を使う必要があります。口座を間違えないよう注意が必要ですね。
2. 非課税期間の管理が複雑になる
一般NISAの場合は注意が必要です。非課税期間は最長で2027年までのため、2024年から新NISAで年間投資枠の限度額である360万円を投資したとしても、合計投資額は1,440万円となり、非課税保有限度額の1,800万円に満たない状態で一般NISAの非課税期間が終了してしまいます。
旧つみたてNISAは、新NISA開始後も非課税期間が終了するまで非課税で運用を続けられます。つみたてNISAと一般NISAでは非課税期間が大きく異なるため、どの商品がいつまで非課税なのか把握しておくことが大切です。管理が面倒に感じるかもしれませんが、定期的に確認する習慣をつけるとよいでしょう。
複数の制度を併用する場合の管理ポイントは以下の通りです。
- 各年度ごとの投資額と非課税期間終了時期を記録する
- 証券会社のマイページで定期的に保有状況を確認する
- 非課税期間終了の1年前には売却するか保有を続けるか判断する
3. 売却タイミングの検討が重要
新NISAと旧NISAの資産がある場合は、非課税保有期間が決まっている旧NISAを優先して売却するという考え方があります。旧NISAは資産を売却しても非課税投資枠は復活しませんが、新NISAでは売却すると非課税投資枠が翌年復活します。
つまり仮に非課税保有限度額の1,800万円が埋まっても、新NISAなら売却によって枠を再利用できます。この違いは大きいですね。長期的に資産を入れ替えながら運用したい方にとっては、新NISAの方が柔軟性が高いといえるでしょう。旧NISAの資産は非課税期間内に売却し、新NISAで長期保有する商品に切り替えるという戦略も考えられます。
金融機関を変更する場合の注意点は?
新NISAを機に証券会社を変更したいと考えている方もいるでしょう。ただし変更には思わぬ落とし穴があるため、慎重に判断することが大切です。メリットだけでなくデメリットもしっかり理解しておく必要があります。
1. 保有商品は移管できない
変更前のNISA口座で保有している商品は、変更後の新しいNISA口座に移すことはできません。そのため変更前のNISA口座と変更後のNISA口座、それぞれに商品を保有している状態となります。その結果、投資枠やポートフォリオの管理が複雑になることがあるでしょう。
これは意外と見落としがちなポイントです。変更すればすべてが新しい証券会社に移ると思っている方も多いかもしれません。しかし実際には、旧口座の資産はそのまま残り続けます。完全に一本化したい場合は、旧口座の資産を売却してから変更する必要があるでしょう。
2. 複数の口座を管理する手間がかかる
変更前の金融機関で商品を保有していると、変更後の金融機関と2つの口座を管理する必要が出てきます。口座番号や取引ID、パスワードなど金融機関ごとに管理する必要があるので、ノートやスマホなどご自身に合った方法で忘れないように管理しましょう。
NISA口座は、1年に1回しか変更できません。一度変更してしまうと、その年は元に戻すこともできないため注意が必要です。複数の口座を管理する自信がない方は、変更しない方が無難かもしれません。管理の手間を考えると、本当に変更する必要があるのかよく検討することをおすすめします。
金融機関を変更する際に確認すべきポイントは以下の通りです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品ラインナップ | 変更先で希望の商品が購入できるか |
| 手数料 | 売買手数料や信託報酬に差があるか |
| サービス | アプリの使いやすさやサポート体制 |
| 管理の手間 | 複数口座を管理できるか |
3. 変更手続きに時間がかかる
金融機関を変更するには、およそ2週間から1か月程度かかるため、余裕を持った行動が大切です。この2週間から1か月という期間は、金融機関によって異なり、もし書類に不備があると、さらに多くの時間がかかることになります。
変更手続きを進めている間に、買付を検討していた商品が買えない機会損失に繋がることに留意が必要です。特に相場が大きく動いているときに手続き中だと、ベストなタイミングを逃してしまう可能性があります。変更するなら、相場が落ち着いている時期を選ぶとよいでしょう。
まとめ
新NISAが始まったことで、つみたてNISAの資産をどうすればよいか迷っている方も多いかもしれません。ただ基本的には何もせず、そのまま非課税で運用を続けられるので安心です。旧NISAと新NISAを併用することで、非課税で運用できる金額が大幅に増えるメリットもあります。
今後は新NISAの恒久化や非課税枠の拡大など、制度がさらに改善される可能性もあるでしょう。資産運用の選択肢が広がっていく中で、自分に合った投資スタイルを見つけることが大切です。焦らず長期的な視点で、着実に資産を増やしていきましょう。

