老後の資産形成を考えたとき、iDeCoと企業型DCという2つの制度が頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。この2つの制度、似ているようで実は仕組みも特徴も大きく異なります。さらに2022年の法改正によって、iDeCoと企業型DCの併用が原則可能になったことで、会社員の選択肢は一気に広がりました。ただし併用する際には注意すべきポイントもいくつかあります。この記事では、iDeCoと企業型DCの違いから併用のメリット、そして会社員が知っておくべき注意点まで詳しく紹介します。
iDeCoと企業型DCとは?それぞれの仕組みを簡単に解説
年金制度という言葉を聞くと難しく感じるかもしれませんが、基本的な仕組みを理解すれば意外とシンプルです。iDeCoと企業型DCは、どちらも老後のための資産形成を支援する制度ですが、誰が主体となって運用するのかが大きく異なります。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
1. iDeCoとは?個人で自由に選べる年金制度
iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称で、加入から運用まで自分自身で決められる制度です。掛金は全額自分で負担しますが、その分だけ税制優遇を受けられるのが魅力といえます。
金融機関も運用商品も自由に選べるため、自分のライフスタイルに合わせた資産形成が可能です。毎月の掛金も5,000円から1,000円単位で設定できるので、無理のない範囲でスタートできます。ただし口座管理手数料などは自己負担になる点は覚えておきましょう。
2. 企業型DCとは?会社が導入する福利厚生制度
企業型DCは会社が福利厚生の一環として導入する制度で、企業型確定拠出年金とも呼ばれます。掛金は基本的に会社が負担してくれるため、従業員にとっては非常にありがたい制度です。
運用商品は会社が選定したラインアップの中から選ぶ形になります。口座管理手数料なども会社が負担してくれることが多いため、コスト面でのメリットは大きいです。ただし転職した場合は、新しい勤務先の制度に移管するか、iDeCoに切り替える必要があります。
3. 2つの制度の基本的な違いはどこにある?
一番の違いは「誰が主体となるか」という点です。iDeCoは個人が主体となって加入し運用する制度で、企業型DCは会社が主体となって従業員のために導入する制度といえます。
もう一つの大きな違いは、掛金の負担者です。iDeCoは全額自己負担ですが、企業型DCは会社が負担してくれます。ただし企業型DCにはマッチング拠出という仕組みがあり、従業員が追加で掛金を上乗せすることもできます。この2つの制度を上手に組み合わせることで、より効率的な資産形成が可能になるのです。
iDeCoと企業型DCの違いを8つの項目で比較
2つの制度の違いを具体的に比較してみると、それぞれの特徴がより鮮明に見えてきます。どちらが優れているということではなく、状況に応じて使い分けることが大切です。ここでは8つの項目に分けて詳しく見ていきましょう。
1. 加入対象者の違い
iDeCoは20歳以上65歳未満のほぼすべての人が加入できます。会社員だけでなく、自営業者や専業主婦(夫)、公務員も対象です。一方で企業型DCは、制度を導入している会社の従業員のみが加入できます。
つまりiDeCoは誰でも自分の意思で始められる制度なのに対し、企業型DCは勤務先の制度に左右される制度といえます。会社に企業型DCがない場合でも、iDeCoを活用すれば老後資金の準備はできるわけです。
2. 掛金の上限額の違い
掛金の上限額は、加入している年金制度によって異なります。企業型DCのみに加入している場合、月額55,000円まで拠出できます。一方でiDeCoの上限額は、会社員の場合は月額12,000円から23,000円程度です。
企業型DCとiDeCoを併用する場合、合計額には上限が設定されています。2025年の税制改正では、この上限額が引き上げられる予定もあるため、今後はさらに多くの金額を積み立てられる可能性があります。
3. 掛金の負担者の違い
企業型DCの掛金は会社が負担してくれるのが基本です。これは給与とは別に会社が拠出してくれるお金なので、従業員にとっては純粋なプラスになります。
一方でiDeCoの掛金は全額自己負担です。ただし掛金は全額所得控除の対象となるため、税制面でのメリットは大きいです。年収が高い人ほど節税効果も大きくなるので、上手に活用したいところです。
4. 手数料の負担者の違い
企業型DCの口座管理手数料は、ほとんどの場合会社が負担してくれます。そのため従業員は手数料を気にせず運用に集中できます。
iDeCoの場合は、口座管理手数料を自分で支払う必要があります。金融機関によって手数料は異なりますが、月額数百円程度が一般的です。長期間運用すると手数料もばかにならないので、できるだけ低コストな金融機関を選ぶことが重要です。
5. 運用商品の選択肢の違い
企業型DCの運用商品は、会社が選定したラインアップの中から選びます。一般的には10〜30本程度の商品が用意されていることが多いです。会社によってはあまり魅力的な商品がない場合もあります。
iDeCoは自分で金融機関を選べるため、運用商品の選択肢も豊富です。特にネット証券では、低コストなインデックスファンドが充実しています。自分の投資方針に合った商品を自由に選べるのは、iDeCoの大きな魅力といえるでしょう。
6. 所得控除の適用範囲の違い
iDeCoの掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となり、所得税と住民税が軽減されます。年収500万円の人が月2万円をiDeCoに拠出すると、年間で数万円の節税効果が期待できます。
企業型DCの会社拠出分は給与として扱われないため、そもそも課税されません。ただしマッチング拠出で従業員が追加拠出した分は、iDeCoと同様に所得控除の対象になります。どちらも税制優遇は大きいですが、仕組みが少し異なる点は知っておきましょう。
7. 受け取り時の税制優遇の違い
受け取り時の税制優遇については、iDeCoも企業型DCも基本的に同じです。一時金として受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金等控除が適用されます。
ただし企業型DCと退職金を同じ年に受け取ると、控除額の計算が複雑になる場合があります。受け取るタイミングを工夫することで、税負担を軽減できる可能性もあるため、専門家に相談するのもおすすめです。
8. 加入・拠出の自由度の違い
iDeCoは自分の意思でいつでも加入できますし、掛金額の変更も年に1回可能です。拠出を一時停止することもできるため、ライフステージに合わせた柔軟な対応ができます。
企業型DCは会社の制度に従う必要があるため、個人の自由度は低いです。ただしその分、手続きの手間は少なく、会社が掛金を負担してくれるメリットもあります。以下の表で主な違いをまとめてみました。
| 項目 | iDeCo | 企業型DC |
|---|---|---|
| 加入対象者 | 20歳以上65歳未満のほぼ全員 | 制度導入企業の従業員のみ |
| 掛金負担者 | 本人 | 会社(マッチング拠出は本人) |
| 掛金上限 | 月12,000円〜23,000円程度 | 月55,000円 |
| 手数料負担 | 本人 | 会社 |
| 運用商品 | 自由に選択可能 | 会社が選定した商品から選択 |
| 加入の自由度 | 高い | 低い(会社の制度に依存) |
iDeCoと企業型DCは併用できる?2022年の法改正で変わったこと
以前は企業型DCに加入していると、iDeCoへの加入が制限されていました。しかし2022年10月の法改正によって、この状況が大きく変わったのです。多くの会社員にとって、資産形成の選択肢が広がる転機となりました。
1. 2022年10月から併用が原則可能になった
2022年10月の制度改正により、企業型DCに加入している人でも原則としてiDeCoに加入できるようになりました。これまでは会社の規約で併用を認めている場合のみ可能でしたが、法改正後は原則として併用できるようになったのです。
この改正によって、会社員は企業型DCで会社からの拠出を受けながら、さらにiDeCoで追加の積み立てができるようになりました。老後資金をより多く準備できるチャンスが広がったといえます。
2. 併用できる条件とは?3つのポイント
併用が原則可能になったとはいえ、いくつかの条件があります。まず1つ目は、企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛金の合計が、月額55,000円以内に収まる必要があることです。
2つ目は、企業型DCでマッチング拠出を利用していないことです。マッチング拠出とiDeCoは選択制となっており、両方を同時に利用することはできません。3つ目は、iDeCoの掛金上限額が企業型DCの事業主掛金によって変動する点です。事業主掛金が多いほど、iDeCoで拠出できる金額は少なくなります。
3. マッチング拠出を利用している場合は併用できない
マッチング拠出とは、会社が拠出する掛金に加えて、従業員も追加で掛金を上乗せできる制度です。このマッチング拠出を利用している場合、iDeCoとの併用はできません。
どちらを選ぶべきかは、事業主掛金の額や運用商品の充実度によって変わります。マッチング拠出は手続きが簡単で手数料もかからないメリットがありますが、iDeCoは運用商品の選択肢が広いメリットがあります。自分の状況に合わせて、どちらが有利か検討する必要があるのです。
iDeCoと企業型DCを併用するメリットとは?
併用が可能になったことで、会社員の資産形成の幅は確実に広がりました。ただし併用すれば必ず得をするというわけではなく、メリットとデメリットを理解した上で判断することが大切です。ここでは併用する主なメリットを見ていきましょう。
1. 掛金の上限額いっぱいまで拠出できるようになる
企業型DCだけでは、会社が拠出する金額しか積み立てられません。例えば会社が月2万円しか拠出していない場合、それ以上の積み立てはできませんでした。
しかし併用することで、iDeCoを通じて追加の拠出が可能になります。月額55,000円という上限額に近づけるまで拠出できるため、より多くの老後資金を準備できます。特に若いうちから始めれば、複利効果も相まって大きな資産を築ける可能性があります。
2. 税制優遇を最大限に活用できる
iDeCoの掛金は全額所得控除の対象となるため、節税効果が非常に大きいです。例えば年収600万円の人が月2万円をiDeCoに拠出すると、年間で約5万円程度の税金が軽減される計算になります。
企業型DCの会社拠出分はそもそも課税されないため、併用することで税制優遇を二重に受けられるイメージです。長期的に見ると、この節税効果は数百万円にもなる可能性があります。税制優遇を最大限に活用できるのは、併用の大きなメリットといえるでしょう。
3. 運用商品の選択肢が広がる
企業型DCの運用商品は会社が選定したものに限られますが、iDeCoを併用すれば自分で選んだ金融機関の商品も利用できます。特にネット証券のiDeCoでは、低コストなインデックスファンドが豊富に揃っています。
運用商品の選択肢が広がることで、リスク分散もしやすくなります。企業型DCでは国内株式中心、iDeCoでは海外株式や債券といった具合に、資産配分を柔軟に調整できるのです。自分の投資方針に合わせた最適なポートフォリオを組みやすくなるメリットがあります。
4. 運用期間を長くできる可能性がある
企業型DCは退職時に一度清算する必要がありますが、iDeCoは65歳まで継続できます。転職を繰り返す場合でも、iDeCoなら一貫して積み立て続けられます。
また2025年度の税制改正では、iDeCoの加入年齢上限が70歳未満に引き上げられる予定です。運用期間が長くなるほど、複利効果によって資産は大きく増える可能性があります。長期的な視点で資産形成を考えるなら、併用は有力な選択肢といえるでしょう。
併用のメリットをまとめると、以下のようになります。
- 掛金の上限額まで拠出できる
- 所得控除による節税効果が大きい
- 運用商品の選択肢が広がる
- 転職してもiDeCoは継続できる
- 長期運用による複利効果を最大化できる
会社員が併用する際の注意点を5つ紹介
併用にはメリットも多いですが、注意すべき点もいくつかあります。特に手数料や管理の手間については、事前にしっかり理解しておく必要があります。ここでは会社員が併用を検討する際に知っておくべき注意点を紹介します。
1. iDeCoの口座管理手数料は自己負担になる
企業型DCの手数料は会社が負担してくれますが、iDeCoの口座管理手数料は自己負担です。金融機関によって異なりますが、月額171円〜600円程度かかります。
年間で考えると2,000円〜7,000円程度の手数料が発生することになります。長期間運用すると、この手数料の差も無視できない金額になるのです。できるだけ手数料が安い金融機関を選ぶことが、運用成績を高めるポイントといえます。
2. 2つの口座を管理する手間がかかる
企業型DCとiDeCoを併用すると、2つの口座を別々に管理する必要があります。それぞれの運用状況を確認したり、資産配分を調整したりする手間は、1つの口座だけの場合よりも増えます。
また年に1回届く運用報告書も2通になりますし、将来受け取る際の手続きも別々に行う必要があります。管理が面倒だと感じる人にとっては、この手間はデメリットになるかもしれません。ただし近年はスマホアプリで簡単に確認できる金融機関も増えているので、以前ほど負担ではなくなっているともいえます。
3. 勤務先の企業年金制度の内容を必ず確認する
併用を始める前に、まず勤務先の企業年金制度の内容をしっかり確認しましょう。事業主掛金の額や、マッチング拠出の有無によって、iDeCoで拠出できる上限額が変わります。
また企業型DC以外に確定給付企業年金(DB)に加入している場合は、iDeCoの上限額がさらに低くなります。人事部や総務部に確認して、自分がどの制度に加入しているのか把握することが第一歩です。間違った金額で申し込むと、後で修正が必要になる場合もあるので注意しましょう。
4. 掛金は原則60歳まで引き出せない
iDeCoも企業型DCも、原則として60歳まで資金を引き出すことはできません。これは老後資金の準備を確実にするための制度設計ですが、急な出費が必要になっても引き出せないというデメリットもあります。
そのため無理な金額を設定すると、生活が苦しくなる可能性があります。掛金を拠出する前に、緊急時の資金として最低でも生活費の3〜6ヶ月分は別に確保しておくことをおすすめします。老後資金も大切ですが、今の生活を犠牲にしてまで拠出する必要はないのです。
5. 無理のない範囲で掛金を設定する
税制優遇が魅力的だからといって、上限いっぱいまで拠出する必要はありません。特に住宅ローンや教育費の負担がある場合は、無理のない範囲で始めることが重要です。
iDeCoは年に1回、掛金額を変更できるので、最初は少額から始めて徐々に増やしていく方法もあります。また一時的に拠出を停止することも可能なので、ライフステージに合わせて柔軟に対応できます。長く続けることが何より大切なので、自分のペースで進めましょう。
マッチング拠出とiDeCoはどっちを選ぶべき?
企業型DCに加入している会社員の中には、マッチング拠出とiDeCoのどちらを選ぶべきか迷う人も多いです。どちらも追加で掛金を拠出できる制度ですが、それぞれ特徴が異なります。自分の状況に合わせて、最適な選択をすることが大切です。
1. 事業主掛金が少ない場合はiDeCoがおすすめ
会社が拠出する事業主掛金が少ない場合は、iDeCoを選ぶ方が有利なケースが多いです。なぜならマッチング拠出では、事業主掛金を超える金額を拠出できないという制限があるためです。
例えば会社が月1万円しか拠出していない場合、マッチング拠出でも最大1万円までしか追加できません。しかしiDeCoなら、企業型DCの事業主掛金にかかわらず、上限額の範囲内で自由に拠出できます。より多くの金額を積み立てたいなら、iDeCoの方が選択肢として適しているといえます。
2. 手続きの手間を減らしたい場合はマッチング拠出
マッチング拠出は会社の制度の中で完結するため、手続きが非常に簡単です。給与天引きで自動的に拠出されますし、運用商品も企業型DCと同じラインアップから選べます。
iDeCoは自分で金融機関を選んで口座を開設する必要があり、初期の手続きがやや煩雑です。また口座管理手数料も自己負担になります。手間を最小限にしたいなら、マッチング拠出の方が向いているかもしれません。
3. 運用商品の選択肢を重視する場合はiDeCo
企業型DCの運用商品に魅力的なものが少ない場合は、iDeCoを選ぶメリットが大きいです。特にネット証券のiDeCoでは、信託報酬の低いインデックスファンドが豊富に揃っています。
長期運用では、信託報酬のわずかな差が最終的なリターンに大きく影響します。運用成績を最大化したいなら、商品選択の自由度が高いiDeCoを検討する価値は十分にあります。以下のポイントを参考に、どちらを選ぶか判断してみてください。
- 事業主掛金が少ない → iDeCoがおすすめ
- 手続きの手間を減らしたい → マッチング拠出がおすすめ
- 運用商品を自由に選びたい → iDeCoがおすすめ
- 手数料を抑えたい → マッチング拠出がおすすめ
- 転職の予定がある → iDeCoがおすすめ
iDeCoでおすすめの金融機関を3つ紹介
iDeCoを始める際は、金融機関選びが非常に重要です。口座管理手数料や運用商品のラインアップは金融機関によって大きく異なります。ここでは特におすすめの金融機関を3つ紹介します。
1. SBI証券|手数料無料で商品ラインアップも充実
SBI証券のiDeCoは、口座管理手数料が無料(国民年金基金連合会への手数料105円のみ)で、運用商品も80本以上と非常に充実しています。特に低コストなインデックスファンドが豊富なのが魅力です。
eMAXIS Slimシリーズなど、業界最低水準の信託報酬を誇るファンドも揃っています。長期投資を考えるなら、コスト面で非常に有利な選択肢といえるでしょう。
2. 楽天証券|初心者にも使いやすい管理画面
楽天証券のiDeCoも口座管理手数料が無料で、運用商品は30本以上用意されています。SBI証券ほど多くはありませんが、厳選された商品が揃っているため、初心者でも選びやすいです。
管理画面が見やすく、スマホアプリも使いやすいと評判です。楽天ポイントを貯めている人なら、楽天経済圏のメリットも活かせます。初めてiDeCoを始める人にとって、親しみやすい金融機関といえます。
3. マネックス証券|低コストインデックスファンドが豊富
マネックス証券のiDeCoも口座管理手数料が無料で、低コストなインデックスファンドが充実しています。特に米国株式や全世界株式のインデックスファンドのラインアップが優れています。
またマネックス証券は、投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まる仕組みもあります。長期保有するほどお得になるため、iDeCoとの相性は抜群です。海外株式への投資を考えているなら、マネックス証券は有力な選択肢になるでしょう。
2025年以降のiDeCo制度改正の予定とは?
iDeCoは今後も制度改正が予定されており、より使いやすくなっていく見込みです。特に2025年度の税制改正では、大きな変更が盛り込まれています。これから始める人にとっては、より有利な環境が整っていくといえるでしょう。
1. 掛金上限額が大幅に引き上げられる予定
2027年1月からは、iDeCoの掛金上限額が大幅に引き上げられる予定です。現在は加入している年金制度によって月12,000円〜23,000円程度ですが、改正後は最大で月35,000円まで拠出できるようになります。
企業型DCとの併用枠も拡大されるため、より多くの金額を積み立てられるようになります。特に高収入の会社員にとっては、節税効果も大きくなるため、メリットは非常に大きいです。
2. 加入年齢の上限が70歳未満に延長される見込み
現在のiDeCoの加入年齢上限は65歳未満ですが、2025年度の改正では70歳未満に引き上げられる予定です。人生100年時代といわれる中、より長く働く人が増えていることに対応した改正といえます。
60歳を過ぎても働き続ける場合、70歳近くまでiDeCoで積み立てを続けられるのは大きなメリットです。運用期間が長くなるほど、複利効果によって資産は増えやすくなります。
3. 企業型DCとの併用枠も拡大される
企業型DCとiDeCoの併用に関しても、掛金の合計上限額が引き上げられる予定です。現在は月額55,000円が上限ですが、改正後はより多くの金額を拠出できるようになります。
また企業型DCのマッチング拠出の上限額も同時に引き上げられる見込みです。会社員にとっては、より柔軟に老後資金を準備できる環境が整っていくといえるでしょう。今後の制度改正の動向には、引き続き注目していきたいところです。
まとめ
iDeCoと企業型DCは、それぞれ異なる特徴を持つ老後資金の準備制度です。2022年の法改正によって併用が原則可能になったことで、会社員の資産形成の選択肢は大きく広がりました。併用すれば掛金の上限額まで拠出でき、税制優遇も最大限に活用できます。ただし口座管理手数料の負担や、2つの口座を管理する手間も考慮する必要があります。2025年度以降の制度改正では、掛金上限額の引き上げや加入年齢の延長も予定されており、今後さらに使いやすい制度になっていくことが期待されます。自分のライフプランに合わせて、最適な資産形成の方法を選んでいきましょう。

