暴落時に買いたいETFとは?リスク資産を守る防御型ETF5選

株式市場が急落すると、多くの投資家が損失を抱えて焦ってしまいます。そんな時こそ、暴落時に買いたいETFを知っておくことが重要です。防御型ETFを活用すれば、リスク資産を守りながら、下落相場でも安定した運用が可能になります。この記事では、暴落時に力を発揮する5つのETFと、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

目次

暴落時に買いたいETFとは?

市場が荒れている時に冷静に対応できるかどうかで、資産の将来は大きく変わってきます。暴落時に買いたいETFというのは、株価が下がっても価値を保ちやすい、あるいは下落局面で利益を出せる仕組みを持った商品のことです。

1. 暴落時に強い資産の特徴とは?

株式市場が崩れる時、すべての資産が同じように下がるわけではありません。金や債券のように、株式と逆の動きをする資産は「安全資産」と呼ばれています。

こうした資産は投資家の不安が高まると買われる傾向があります。また、生活必需品や医薬品といった「ディフェンシブセクター」も、景気の影響を受けにくいため暴落時に強いのです。

  • 金や債券などの安全資産
  • 生活必需品・ヘルスケアなどのディフェンシブセクター
  • インバース型など下落で利益を出す商品
  • カバードコール戦略で下落リスクを抑えた商品

2. ETFを使ったリスクヘッジの基本

ETFは複数の銘柄に分散投資できるため、個別株よりもリスクを抑えやすいのが魅力です。暴落時のリスクヘッジとしてETFを使う場合、保有している株式ポートフォリオとは逆の値動きをする商品を組み合わせるのが基本になります。

例えば、日本株を多く持っているなら、インバース型ETFを少量保有しておくことで、下落時の損失を相殺できます。また、金ETFや債券ETFを組み入れておけば、株式市場の混乱時にポートフォリオ全体の値動きが安定するのです。

3. 防御型ETFが注目される理由

最近の市場は変動が激しく、いつ大きな調整が来てもおかしくない状況です。そんな中、防御型ETFは「守りの投資」として注目を集めています。

投資家の多くは利益を追求したいと考えていますが、同時に大きな損失も避けたいものです。防御型ETFを持っておけば、暴落が起きても冷静でいられますし、むしろ買い増しのチャンスと捉えられるようになります。

インバース型ETFで相場下落を利益に変える

株価が下がると利益が出る、一見不思議な商品がインバース型ETFです。相場の下落局面でも資産を守るだけでなく、利益を狙えるのが大きな特徴になります。

1. インバース型ETFの仕組みとは?

インバース型ETFは、対象となる指数が下がった時に価格が上がるように設計されています。例えば日経平均が1%下落すると、インバース型ETFは1%上昇するという仕組みです。

この商品は先物取引などを使って、指数の逆の動きを実現しています。普通のETFとは真逆の値動きをするため、保有している株式のリスクヘッジとして使えるわけです。

項目特徴
値動き対象指数と逆方向に動く
主な用途下落局面でのヘッジや利益確保
リスク長期保有には向かない
取引方法通常の株式と同じように売買可能

2. 日経平均ダブルインバースETFの活用法

日経平均ダブルインバースETFは、日経平均が下がった時に2倍の値上がりをする商品です。つまり日経平均が1%下落すると、このETFは2%上昇する計算になります。

短期的な下落局面で大きな利益を狙いたい時に有効ですが、毎日リバランスされるため長期保有すると想定外の動きをすることがあります。そのため、タイミングを見極めて短期的に使うのがポイントです。

3. インバース型ETFを買うタイミング

インバース型ETFは、市場が過熱している時や調整の兆しが見えた時に買うのが理想的です。ただし、相場の天井を当てるのは難しいため、保有株式の一定割合をヘッジする目的で少量持つという使い方が現実的でしょう。

暴落が始まってから慌てて買うよりも、平常時から少しずつ仕込んでおく方が効果的です。相場が回復してきたら利益確定して、次の調整に備えるというサイクルを繰り返すのがおすすめです。

金ETFで資産を守る方法

古くから「有事の金」と言われるように、金は経済危機や市場の混乱時に価値を保つ資産として知られています。金ETFを使えば、現物を保管する手間なく金投資ができるのです。

1. 金が暴落時に選ばれる理由

株式市場が暴落すると、投資家は安全な資産に逃避します。この時に選ばれるのが金です。金は株式とは異なり、企業業績や経済状況に左右されにくい実物資産なので、価値がゼロになる心配がありません。

実際、過去の金融危機では株価が大きく下落する中で、金価格は上昇または横ばいで推移しています。このような逆相関の関係があるため、ポートフォリオに金を組み入れておくとリスク分散効果が高まるのです。

2. おすすめの金ETF銘柄

金ETFにはいくつか種類がありますが、純金の価格に連動するシンプルなタイプが使いやすいでしょう。国内では「金価格連動型上場投資信託」(証券コード:1328)が代表的です。

海外ETFでは「SPDRゴールド・シェア」(ティッカー:GLD)が世界最大規模で流動性も高く、多くの投資家に選ばれています。円建てで投資したいなら国内ETF、ドル建てで持ちたいなら海外ETFという選び方が基本になります。

  • 国内:金価格連動型上場投資信託(1328)
  • 海外:SPDRゴールド・シェア(GLD)
  • 信託報酬や流動性を確認して選ぶ

3. 金ETF投資の注意点

金ETFは安全資産とはいえ、価格変動リスクはあります。金価格は為替やインフレ率、各国の金融政策などに影響を受けるため、常に上がり続けるわけではありません。

また、金自体は配当や利息を生まない資産です。そのため、長期的なリターンを求めるなら株式や債券と組み合わせて保有するのが賢明でしょう。ポートフォリオの5〜10%程度を金に配分するのが、リスク分散の観点からは適切だと言われています。

債券ETFで安定性を確保する

株式と並んで伝統的な投資対象である債券も、暴落時の防御に役立ちます。債券ETFを使えば、少額から債券投資ができて分散効果も得られるのです。

1. 債券ETFが持つ下落耐性

債券は株式に比べて値動きが穏やかで、リスクが低い資産です。特に国債のような信用度の高い債券は、株式市場が荒れている時に買われる傾向があります。

株価が下落すると投資家は安全資産を求めて債券を買うため、債券価格は上昇します。この逆相関の関係があるため、株式と債券を組み合わせて持つことでポートフォリオ全体の変動を抑えられるのです。

債券の種類リスクリターン暴落時の動き
国債低い低い安定または上昇
社債中程度中程度やや下落する場合あり
ハイイールド債高い高い株式と同様に下落

2. 米国債ETFと国内債ETFの違い

米国債ETFは、世界で最も信用度の高い米国国債に投資する商品です。金利水準が日本より高いため、より高い利回りが期待できます。ただし為替リスクがあるため、円高になると損失が出る可能性があります。

一方、国内債ETFは日本国債に投資するため為替リスクはありませんが、金利が低いため利回りも限定的です。安定性を最優先するなら国内債、少しリターンを狙うなら米国債という選び方になるでしょう。

3. 為替ヘッジの有無をどう選ぶ?

米国債ETFには、為替ヘッジありとなしの2種類があります。為替ヘッジありは円高リスクを避けられますが、ヘッジコストがかかるため利回りが少し下がります。

為替ヘッジなしは為替変動の影響を受けますが、ヘッジコストがかからず純粋な債券の利回りを享受できます。円安局面では為替差益も得られるため、為替の見通しに応じて使い分けるのが良いでしょう。

カバードコール型ETFで下落リスクを軽減

オプション取引を活用したカバードコール型ETFは、株式を保有しながら下落リスクを抑える戦略です。最近注目を集めている防御型ETFの一つになります。

1. カバードコール戦略とは?

カバードコール戦略は、保有している株式に対してコールオプション(買う権利)を売却する方法です。オプションを売ることでプレミアム収入を得られるため、株価が下落しても収入でカバーできるのです。

例えば株価が横ばいや小幅下落の場合、オプション収入がクッションになって損失を軽減してくれます。ただし株価が大きく上昇した場合は、上昇分の利益を逃してしまうというデメリットもあります。

2. プレミアム収入で損失を軽減する仕組み

カバードコール型ETFは、定期的にコールオプションを売却してプレミアム収入を得ています。このプレミアム収入が配当のように投資家に分配されるため、高い分配金利回りが実現できるのです。

株価が下落しても、プレミアム収入があれば損失を相殺できます。暴落時には完全には守り切れませんが、通常の株式ETFよりも下落幅を抑えられる効果が期待できます。

  • 定期的なプレミアム収入で下落をカバー
  • 高い分配金利回りを実現
  • 急激な上昇局面では利益が限定される
  • ボラティリティが高い時期に効果的

3. 暴落時におすすめのカバードコール型ETF

カバードコール型ETFの中でも、「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF」(ティッカー:QYLD)は人気の高い商品です。NASDAQ100指数に投資しながらカバードコール戦略を実行し、高い分配金を提供しています。

日本でも類似の商品が上場されており、証券コード2865の「グローバルX US テック・トップ20 カバード・コール ETF」などがあります。テクノロジー株のような値動きの大きい銘柄ほど、カバードコール戦略の効果が高まるのです。

ディフェンシブセクターETFで守りを固める

景気の影響を受けにくいディフェンシブセクターに投資するETFも、暴落時の守りとして有効です。生活に欠かせない商品やサービスを提供する企業は、不況でも需要が安定しています。

1. ディフェンシブセクターとは?

ディフェンシブセクターは、景気の変動に左右されにくい業種のことです。人々が不況でも必ず消費する生活必需品、病気の時に必要な医薬品、電気やガスといった公益事業などが代表的です。

これらの業種は、景気が悪化しても売上が大きく落ち込むことは少ないため、株価も比較的安定しています。暴落時には他のセクターが大きく下げる中、ディフェンシブセクターは下落幅が小さく済むことが多いのです。

2. 生活必需品・ヘルスケア・公益事業の特徴

生活必需品セクターは、食品や日用品、タバコやアルコールなど、生活に欠かせない商品を扱う企業で構成されています。不況でも人々は食事をし、トイレットペーパーを買い続けるため、安定した収益が見込めるのです。

ヘルスケアセクターは医薬品や医療機器、病院運営などの企業が含まれます。高齢化社会では医療需要が増え続けるため、長期的な成長も期待できます。

公益事業セクターは電力やガス、水道などのインフラ企業です。これらは地域独占的な事業モデルのため競争が少なく、安定した配当を出す企業が多いのが特徴です。

  • 生活必需品:食品、日用品など生活に必須の商品
  • ヘルスケア:医薬品、医療機器、病院など
  • 公益事業:電力、ガス、水道などのインフラ

3. 配当貴族ETFという選択肢

配当貴族とは、25年以上連続で増配している優良企業のことです。配当貴族で構成されるETFは、長期的に安定した配当を提供してくれます。

「S&P500配当貴族指数」に連動するETFは、25年以上増配を続けている企業のみで構成されているため、財務の健全性が高く暴落時にも底堅い動きをする傾向があります。配当貴族ETFにはディフェンシブセクターの企業が多く含まれているため、守りの投資として最適なのです。

まとめ

暴落時に備えた防御型ETFを知っておくことで、次の市場調整が来ても落ち着いて対応できるはずです。インバース型や金ETF、債券ETFなど、それぞれ異なる特徴を持つ商品を組み合わせることで、より強固なポートフォリオが作れます。また、今回紹介したETF以外にも、自分の投資スタイルに合った商品を探してみるのも良いかもしれません。

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