インデックス投資のリスクを正しく理解しているでしょうか?
市場全体に分散投資できるインデックス投資は、初心者にも人気の運用方法です。ただし、暴落時に慌てて売却してしまうと、せっかくの長期投資のメリットを失ってしまいます。この記事では、インデックス投資のリスクと、暴落が起きても動じないための基本ルールを紹介します。
インデックス投資にはどんなリスクがあるのか?
インデックス投資は比較的安全な投資手法という印象があるかもしれません。でも実際には、いくつかのリスクが存在します。
リスクを知らずに始めると、暴落時に想定外の損失に驚いてしまうはずです。ここでは代表的な3つのリスクを見ていきます。
1.市場全体の値動きに連動するため元本割れの可能性がある
インデックス投資は市場全体の動きに連動する仕組みです。つまり、市場が下落すれば保有している資産も同じように値下がりします。
個別株と違って分散されているとはいえ、元本割れのリスクはゼロではありません。2020年のコロナショックや2022年の急落局面では、多くの投資家が一時的に大きな含み損を抱えました。こういった局面は誰にでも訪れる可能性があるので、覚悟しておく必要があります。
2.為替変動リスクで資産価値が目減りすることもある
海外のインデックスに投資する場合、為替の影響を受けます。たとえば米国株式に投資していて、円高が進むと資産価値が減ってしまうのです。
具体的には、ドル建ての資産が増えていても、円換算すると損をしているケースもあります。為替リスクは見落としがちですが、長期保有するほど影響が大きくなるので注意が必要です。
3.短期的な価格変動に一喜一憂しやすい
インデックス投資は本来、長期保有を前提にした運用方法です。しかし、日々の価格変動を見ていると、どうしても気になってしまいますよね。
特に投資を始めたばかりの頃は、少しの下落でも不安になるはずです。短期的な値動きに振り回されて売買を繰り返すと、手数料がかさんで結局損をしてしまいます。感情的な判断は、インデックス投資では一番避けたい行動といえます。
主なリスクをまとめると以下の通りです。
- 市場連動による元本割れリスク
- 為替変動による資産価値の目減り
- 短期的な価格変動による心理的ストレス
暴落時にやってはいけない3つの行動
暴落が起きたとき、多くの人は冷静さを失ってしまいます。でも、そこで間違った行動を取ると、損失を確定させることになりかねません。
ここでは、暴落時に絶対やってはいけない3つの行動を紹介します。これを知っておくだけで、いざという時の対応が変わるはずです。
1.慌ててマイナスの資産を売却してしまう
暴落時に一番やってはいけないのが、慌てて売却することです。含み損を抱えた状態で売ってしまうと、損失が確定してしまいます。
過去のデータを見ると、市場は必ず回復してきました。リーマンショックやコロナショックのような大暴落でも、数年後には元の水準を超えています。焦って売却せず、じっと持ち続けることが大切です。
2.感情的にポートフォリオを変更する
暴落すると「この銘柄はダメだ」と思って、別の商品に乗り換えたくなります。でも、感情的な判断でポートフォリオを変更するのは危険です。
市場が回復する前に売却すると、回復の恩恵を受けられなくなります。投資方針は冷静な時に決めておいて、暴落時には変更しないのが賢明です。
3.投資方針をコロコロ変えてしまう
「やっぱり別の商品の方が良かった」と後悔して、頻繁に方針を変える人がいます。しかし、方針を変えるたびに手数料がかかりますし、長期投資のメリットも失われます。
一度決めた方針は、少なくとも数年単位で継続するべきです。短期的な結果に左右されず、信じた道を進む覚悟が必要になります。
やってはいけない行動をまとめました。
| NG行動 | 理由 |
|---|---|
| 慌てて売却する | 損失を確定させてしまう |
| ポートフォリオを変更する | 回復の恩恵を受けられない |
| 投資方針を変える | 長期投資のメリットを失う |
暴落が起きても安心できる基本ルールとは?
暴落時に慌てないためには、事前にルールを決めておくことが重要です。ルールがあれば、感情に流されずに済みます。
ここでは、暴落が起きても安心できる3つの基本ルールを紹介します。これらを守れば、長期的に資産を増やせる可能性が高まるはずです。
1.積立投資を続けてドルコスト平均法の効果を活かす
暴落時こそ、積立投資を継続することが大切です。ドルコスト平均法という手法を使えば、価格が下がった時に多くの口数を購入できます。
たとえば毎月3万円を積み立てている場合、価格が下がれば自動的に安く買い増しできるのです。長期的に見ると、平均取得単価が下がって利益が出やすくなります。暴落を味方につけられる投資法といえますね。
2.余剰資金で運用して生活に影響を出さない
投資は必ず余剰資金で行うべきです。生活費や緊急時の資金まで投資に回すと、暴落時に売却せざるを得なくなります。
目安としては、生活費の6ヶ月分程度を現金で残しておくのがおすすめです。余裕があれば、暴落が起きても冷静に対応できるはずです。精神的な余裕を持つためにも、無理のない金額で始めることが重要になります。
3.長期保有を前提にして一時的な下落を気にしない
インデックス投資は、最低でも10年以上の長期保有を前提にしています。短期的な下落は、長い目で見れば誤差の範囲です。
過去のデータでは、15年以上保有すればほぼ確実にプラスになっています。一時的な含み損に一喜一憂せず、淡々と保有し続ける姿勢が大切です。日々の値動きをチェックしすぎないのも、ひとつの工夫といえます。
基本ルールを実践するためのポイントは以下です。
- 毎月定額の積立投資を設定する
- 生活防衛資金を確保してから投資する
- 最低10年以上の保有を想定する
- 日々の値動きを気にしすぎない
リスクを抑えるための分散投資の考え方
リスクを減らすには、分散投資が欠かせません。ひとつの資産に集中すると、暴落時のダメージが大きくなってしまいます。
ここでは、効果的な分散投資の考え方を3つ紹介します。自分に合った方法を見つけることが、安定した資産形成への近道です。
1.株式だけでなく債券や不動産にも資金を分ける
株式だけに投資していると、市場全体が下落した時に大きな損失を受けます。債券や不動産など、値動きの異なる資産を組み合わせることで、リスクを分散できます。
たとえば、株式70%・債券20%・不動産10%という配分にすれば、株式が下がっても他の資産でカバーできる可能性があります。資産の相関性を考えながら、バランスの良いポートフォリオを作ることが重要です。
2.国内・海外のインデックスを組み合わせる
日本株だけに投資するのは、リスクが高いといえます。海外の株式インデックスを組み合わせれば、地域分散の効果が得られます。
特に全世界株式のインデックスファンドなら、1本で約50カ国に分散投資できます。日本と米国、新興国をバランス良く保有することで、どこかの地域が不調でも他でカバーできるはずです。
3.自分のリスク許容度に合わせてポートフォリオを作る
分散投資の配分は、年齢や資産状況によって変えるべきです。若い人はリスクを取って株式中心にできますが、定年間近の人は債券の比率を増やす方が安全です。
また、FIREを目指す人なら、安定収入が見込める高配当株や不動産投資信託(REIT)を組み入れるのもひとつの方法です。自分のライフプランに合わせて、ポートフォリオを調整することが大切になります。
代表的な分散投資の組み合わせ例をまとめました。
| 投資家タイプ | 株式 | 債券 | その他 |
|---|---|---|---|
| 20~30代 | 80% | 15% | 5% |
| 40~50代 | 60% | 30% | 10% |
| FIRE目指す人 | 50% | 30% | 20%(REIT等) |
初心者にもおすすめのインデックス商品を紹介
実際にどの商品を選べば良いか迷う人も多いはずです。ここでは、初心者にもおすすめのインデックス商品を3つ紹介します。
いずれも信託報酬が低く、長期投資に適した商品です。自分の投資方針に合わせて選んでみてください。
1.eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim全世界株式は、これ1本で世界中の株式に分散投資できる商品です。通称「オルカン」と呼ばれ、初心者から上級者まで幅広く支持されています。
信託報酬は年0.05775%と業界最低水準で、コストを抑えられます。先進国から新興国まで約3,000銘柄に投資できるので、地域分散の効果も十分です。迷ったらこれを選んでおけば間違いないといえます。
2.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
米国市場に集中投資したいなら、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)がおすすめです。S&P500指数に連動するため、アップルやマイクロソフトなど米国の主要企業に投資できます。
信託報酬は年0.09372%と低コストで、長期保有に向いています。過去の実績を見ても、米国株式は安定したリターンを生み出してきました。ただし米国に集中するため、為替リスクや地域リスクがある点には注意が必要です。
3.楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
楽天VTIは、米国株式市場全体に投資できる商品です。S&P500よりも投資対象が広く、約4,000銘柄に分散されています。
信託報酬は年0.162%とeMAXIS Slimよりやや高めですが、それでも十分に低コストです。楽天証券で購入すれば楽天ポイントが貯まるメリットもあります。米国全体に幅広く投資したい人に向いている商品といえます。
おすすめ商品の特徴を比較しました。
- eMAXIS Slim全世界株式:世界分散・最低コスト・初心者向け
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500):米国大型株・低コスト・人気No.1
- 楽天VTI:米国全体・楽天ポイント・幅広い分散
まとめ
インデックス投資は長期的に資産を増やせる優れた手法ですが、暴落時の対応が成否を分けます。焦って売却せず、淡々と積立を続けることが何より大切です。
紹介した基本ルールを守れば、FIREやセミリタイアの実現に近づけるはずです。さらに税制優遇のあるNISAやiDeCoを活用すれば、効率的に資産形成できます。まずは少額から始めて、自分に合った投資スタイルを見つけていきましょう。

